2017年5月19日 2816号

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第一生命 2017年度資産運用のポイント

 

外債投資 通過、セクターの選別投資拡大

ヘッジ外債の投資妙味薄れる

 

ヘッジ外債の投資妙味が薄れる中で、ヘッジ外債では通貨、セクターの選別投資を行い、新規分野の投融資の範囲も拡大──第一生命は4月25日、2017年度上半期運用方針を明らかにした。重本和之運用企画部長(=写真)、綱孝裕運用企画部運用企画室長が説明した。

 

同社はここ数年、ヘッジ外債を中心に資金配分をしてきたが、重本部長はまず、ヘッジ外債の投資妙味が薄れていることを強調する。

 

2016年7月あたりでは、米国10年債のヘッジコストを考慮した後の利回りはゼロになるような状態だった。足元では米国の金利も上がっているが、米国10年債の利回りは2014年、15年と比べると、16年以降は低下している。

 

さらに、米国のFOMCが今後2回の利上げを想定していることから、ヘッジコストが徐々に上がることが予想される。

 

また、重本部長はグラフ「日米利回り(ヘッジコスト考慮後)推移」(2013年12月〜17年3月)を示し、2015年以降、米国のヘッジコストが上がっていく中で、欧州周辺国(フランス、ベルギー、イタリア、スペイン)、さらに米国社債(BBB格)のほうがヘッジ後利回りが高くなっていること指摘。

 

「欧州周辺国のほうが相対的に魅力があり、あるいは米国社債(BBB格)のほうがより魅力があったということが一目瞭然だ。投資対象国を拡大し、新規の利回りを比較しながら、どの国が収益性が高いかを考え、35カ国・23通貨まで拡大してきた」と重本部長。

 

通貨分散では、米ドルの比率が61・6%(12年3月末)から52・8%(16年12月末)と5割強の水準まで減少。ユーロも 28・4%から24・0%に減少し、豪ドルは3・2%から7・8%に増加。この主要3通貨以外の「その他」は6・6%から15・4%と大きく伸びている。

 

また、セクター別では、国債・地方債は48%しか保有しておらず、 社債29%とモゲージ債24%で半数を占める。「社債、米を中心とするモゲージ債などクレジットリスクを取りながらスプレットを確保する取り組みを行っている」と重本部長。

 

新規分野 リターンと分散効果を狙う

 

超低金利環境が続く中で、どのように収益力を強化していくか。この答えの一つとして、重本部長は新規分野への投融資の拡大を強調する。

 

重本部長は投資推進領域として、縦軸に年率リターン、横軸に分散効果を取ったチャートを示し、「年率リターンをできるだけ高めるという視点と、もう一つ、保有ポートフォリオの分散効果を高めて、リスク耐性のあるポートフォリオにしたい」と述べる。

具体的な投資対象は次のとおり。

 

株式類似資産=PEファンド、インフラファンド、天然資源ファンド

債券類似資産=HY債券、航空機ファイナンス、不動産担保ローン、バンクローン

 

このような投資対象は、株式や債券の伝統的な分野との相関性が低く、リスク・リターン特性は株式や債券の中間的な特徴を持つ。

 

インフラ投資では、新たな投資スキームとして「信託スキーム」を信託銀行と共同開発した。その狙いを重本部長はこう説明する。

 

「海外案件ではキャシュフローが固定されていない案件があり、それに直接投資をして為替ヘッジをかけようとしてもうまくかけることができない。信託銀行とスキームを開発することでキャシュコントロールが可能になる。外貨建プロジェクトファイナンスに円建てで投資できるスキームで、新たなエリアの投資ができるようになった」

 

風力発電事業では海外のプロジェクトファイナンスの投資も開始し、国内の太陽光発電事業については、かんぽ生命と共同で投資(2件・100億円)を行い、「より資金供給力が増したエリア」という。

 

円債のインカム利回りは2%強

 

Q 新規分野の投融資拡大は、低金利の影響で利回りが低下している円債をカバーするのが狙いか。

重本 円債、ヘッジ外債を合わせた保有利回りはほとんど下がっていない。プラスαの新規分野が、その下がっている部分を埋めるということではない。

円債とヘッジ外債の中のクレジットを強化したり、外債の中でも通貨を分散したりして、既存エリアも利回りをキープしている。

 

Q では、円債の利回りはどのぐらいか。

 昨年12月でのストックのインカム利回りは2%強だ。

 

Q 低金利環境がこのまま続くと、インカム利回りはさらに低下するのか。

 円債などの償還金を円債に再投資するのではなく、新規分野を中心とした投融資に振り向けている。資産の保有デュレーションは保険負債に合わせて非常に長く、そもそも償還金自体がそれほど多くない。

少ない量の償還金でも、現行の投資利回りの中では相対的に高い分野に振り向けており、既存エリアの利回りの絶対値は下がるだろうが、その下がり幅や影響は限定的だ。

 

Q 新規分野への投融資として、投資推進領域を示したが、特にどの分野に力を入れるのか。

重本 これを重点的なやりたいと思っても、その案件が都合よく出てくる世界ではない。どの案件がいつ、どのくらいの規模でプロジェクトとして立ち上がるかまったく分からない。

どのように案件を捉えるか、ということが非常に重要な視点であり、それを「ソーシング」と呼んでいるが、ソーシングをして、有望な案件の話が早くきてほしい、というのが実態だ。

当然、資金調達側は案件が早く立ち上がることを求めており、その意味では資金供給力をできるだけ多くして、いろいろな案件を早く持ち込んでもらえるように努力している。

 

Q ESG投資への取り組みは。

重本 主に外債のエリアになるが、社会貢献債5件に投資している。今後はより良い取り組みをしている企業に投資するためのプロセスを、リサーチ段階から組み込んでいきたい。

 

JA共済連29年度事業計画・基本方針

 

支店の顧客対応力を全面支援

 

JA共済連は「平成29年度のJA共済事業計画」を発表した。

29年度は、平成28年度からスタートした3カ年計画の中間年度にあたり、三つの基本方針を策定した。

 

①将来の事業基盤構築に向けた生命共済を中心とする保障性仕組みの取り組み強化。

②共済事業としての自己改革への取り組み強化。

③マイナス金利などによる影響を踏まえた健全性の確保。

 

普及推進では、タブレット型端末機「ラブレッツ」を活用した推進活動や訪問・保全活動によって接点拡充を図り、仕組み改訂・セットプランを活用して保障性仕組みの取り組みを強化していく。

 

保障性仕組みの取り組みでは「ひと・いえ・くるまの総合保障に向けて、ニーズに即した仕組み改訂および『ラブレッツ』の提案機能を活用し、組合員・利用者のセグメントごとの保障性仕組みの提案を強化したい」という。

 

JA指導・サポート機能の強化では、連合会としてJAの支店(所)の契約者対応力・現場力のさらなる強化に向けた支援を行う。

さらに、JAの支店(所)への指導力を強化するために、普及推進と事務指導を連携して総合的な支援を行う。

 

その実現に向けて、研修体系なども見直す。JA指導・サポート部門の職員の知識・スキルの継続的な向上が狙い。

JAの事務負荷では、ペーパーレス・キャッシュレスなどの定着・促進を図る。

 

生命総合共済の新契約申し込み手続きでは、2016年4月から「ラブレッツ」を活用したペーパーレス化を導入。今年3月27日現在、全国の約155万件のうち、約50万件の契約がペーパーレス化になっている。

 

なお、生命総合共済の初回掛金の口座振替の実施などによるキャッシュレス化も図った。

 

今年4月には建物更正共済のペーパーレス・キャッシュレスを実現し、自動車共済についても29年度下期に、導入する。

健全な財務基盤の確保については「総合リスク量を用いたリスク管理の定着に向け、総合リスク管理態勢の整備・高度化に力を入れる」。

 

〈29年度の種類別契約高目標〉

生命総合=6兆5395億円(保障金額)

建物更正=15兆4324億円(同)

医療系=68万7000件、41億円(入院日額)

介護=4464億円(介護共済金額)

年金=945億円(年金年額)

自動車=820万1000件、3639億円(元受掛金)

自賠責=330万9000件、802億円(同)

 

2面 支社経営

 

先輩支社長の言葉にチョッと耳を

4人の支社長が語る支社経営のポイント

 

新年度が始まって1カ月。期待と不安でいっぱいの新任の支社長が成功するためには何をすべきか?歴戦のベテラン支社長のアドバイスに共通するのは基本(原理・原則)の重視と原点回帰だ。

 

3面 リスク管理

 

リスクのお話 24回目

新小学1年生の通学リスク

深澤リスク文化研究所 代表 深澤茂樹

 

通学中の歩行者の交通事故死傷者では小学校低学年が目立つ。4月から3カ月間くらいは、新1年生の親が代わる代わる登下校に同行して、安全を確保することを子供に教え、訓練することも重要ではないかと思う。

 

4面 人口推計

 

「我が国のこどもの数」

子どもの数、36年連続減少

 

総務省統計局の「人口推計」によれば、子どもの数は2017年4月1日現在1571万人で、36年連続して減少した。全人口に占める割合は、12.4%でこれまた昭和50年から43年連続の低下となった。子どもが増加したのは東京都のみ。

 

5面 採用育成

 

採用に関する方法論㊿

採用は無差別に攻めていく

 

小林優子さんの採用法は無差別攻撃、「知・友人、知・友人からの紹介、基盤先の紹介、道ですれ違ったすてきな人……。ありとあらゆる方法で採用にトライしてきました」と語る。

 

6面 法人開拓

 

法人営業のABC

ドクターの心をつかむ基礎知識㉔

税理士 池谷和久

 

「地域医療連携推進法人」は、複数の医療機関などを統括して一体的なグループ経営を行うことで経営効率を上げることを目指す法人です。高額な医療機器の共同利用、病床数の融通などが考えられます。

 

7面 社会保障

 

社会保障なんでも相談センター

難病に関する助成制度について

社会保険労務士 園部喜美春

 

今年の4月から、公的に助成される難病の範囲が306疾病から24種類追加され330疾病とされました。この制度は、療養が長期にわたるなどによる、患者の経済的な負担を軽減するものです。

 

 

8〜9面 販売支援

 

コミュニケーション・ツール

老後の不安を軽減するプランニングを

 

中小企業庁の「事業承継ガイドライン」は、経営者の高齢化が如実に進んでいることを示し、国税庁の平成27年の相続税の申告状況によれば、改正で納税者が確実に増えました。老後の対策を考えます。

 

10面 新商品

 

T&Dフィナンシャル生命

「生涯プレミアムワールド4」

 

米ドル・豪ドル建ての外国為替連動型の終身保険。毎年の追加額を積み立てた累積額をいつでも全額払い出せる「積み立てコース」と、毎年、定期支払額を受け取れる「定期支払コース」の2コースがある。

 

制作 株式会社保険社 保険情報・ネットソリューション・チーム

住所 〒166-0003 東京都杉並区高円寺南4-2-8 サンユースビル2 4階

電話 03-3317-0391

 

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