実践法人契約獲得のケーススタディー

 

㈱サンライズコーポレーション 代表取締役 奥田雅也

 

 

 

経営セーフティー共済からませ効果的な保障を

 

<お客さま概要>

  • 創業5年目IT系企業
  • 社長は38歳
  • 従業員5名
  • 年商8,000万円
  • 生命保険は会計事務所の紹介で契約

 

[ご提案のいきさつ] 顧客企業のシステム系の仕事を行うにあたり、弊社スタッフが「業務に関する賠償責任保険と個人情報漏洩時の補償が得られる保険を検討したいので見積をしてほしい」との依頼を受け、対応しました。その際、お預かりした決算書から、生命保険の加入状況について推定・検証。仮説を立て問題点をクライアントにフィードバックしたところ、現実的にもニーズに合っていないことが判明しました。

 

 

預かった決算書から保障見直し

仮説による提案で資金繰り改善

 

保険料算出を行う上で売上高を確認する必要がありますので「決算書のコピーを下さい」と依頼し、直前期の決算書コピーを入手しました。ここで重要なのは、売上高を確認するだけであれば損益計算書で足りるのですが、せっかく重要な経営資料を見せて貰えるチャンスなので、損益計算書だけでなく貸借対照表も合わせて「決算書のコピーを下さい」といって入手をすることです。

 

もちろん、損益計算書だけ、損害保険の保険料は計算できますが、貸借対照表まで入手できれば経営状況がある程度把握できます。それにより生命保険の提案へ繋げられる可能性が高まります。まさに今回はそのような事例です。そして、依頼主より直前期の貸借対照表と損益計算書のコピーを入手し、弊社スタッフが分析をした内容は以下の通りです。

 

  • 支払保険料が年間60万円。長期前払費用が150万円計上されている。察するに既存生保が長期平準定期保険で、半分損金・半分資産計上のタイプではないか?
  • これに対して当期純利益200万円。法人の実効税率を考えれば仮に加入している保険が長期平準定期保険だとすればメリットは非常に少ないのでは?
  • 年商8000万円に対して、売掛金が1000万円。
  • 買掛金と未払金が400万円。現預金残高が300万円ということを考えれば、資金繰り的には決して楽ではない。
  • 長期借入金が1500万円計上されているが、現時点での残高がどの程度になっているか?または、今加入している生命保険の保険金額は適切なのか? を確認する必要がある。

 

一応、事前の仮定としては、

 

  1. どこからか長期平準定期保険を勧められて加入している可能性が高い。
  2. 保険金額は必要保障額に届いていない可能性が高い。
  3. 資金繰りは決して楽ではない可能性が高い。

 

以上3点を踏まえて、損保の見積りを提示する際に上記について確認するように指示をしました。

 

□  ■

 

やはりこちらが見込んでいた通りで、以下のことがヒアリングで確認できました。

 

  • 生命保険は会計事務所から提案された長期平準定期保険で、保険金額は5000万円。
  • 前期末時点では1500万円の借入残高であったが、その後に約1500万円ほと追加融資を受けたので3000万円程度になっている。
  • 起業後、2年目から利益を計上できるようになってきたが、税引前当期利益で400万円以上を計上したことがない。
  • さらには過去においては繰越欠損もあったが、今はようやく解消されてきた。そのために実際の実効税率は非常に低いものであった。

 

解約の雑収入は共済の前納で処理

 

まずはご提案をしたIT賠償責任保険と個人情報漏洩保険は、提案内容通りに契約をいただき、その後に生命保険の見直し提案をさせていただくことになりました。当社から行った提案は、某生命保険会社の収入保障保険に切り替える内容で、保険金額は一時金として5000万円が確保できるように設定しました。

 

これにより大幅に掛け金を抑えて最低限必要な保障額を確保することを提案しました。

さらに当社では取り扱いはできませんが、多少なりとも資金繰りに余裕があれば「経営セーフティー共済(中小企業倒産防止共済)」の活用を提案いたしました。

 

「経営セーフティー共済」はご存知の方も多いと思いますが、事業主が負担する掛金は全額を損金として計上することが可能です。掛金月額は、5000円から20万円までの範囲(5000円刻み)で自由に選べ、掛金総額が800万円になるまで積み立てられます。基本は月額負担ですが、前納を行うことも可能ですので決算状況を見てうまく活用すれば効果は大きくなります。

取引先が倒産などにより、売掛金の回収ができない場合には払込総額の10倍を限度にして融資を受けることができます。さらには解約の場合に支払われる解約手当金の一定範囲内で一時金として融資を受けることも可能です。

 

この経営セーフティー共済が最も優れている点は、掛金が全額損金になるだけでなく40カ月以上継続していると任意解約であっても掛金の全額が返戻される点にあります。法人生命保険的な表現を使えば「100%損金100%返戻」の効果が得られます。

同共済のこのような特徴を踏まえると、法人における生命保険を活用した「課税の繰延」を検討する前に、業種によっては、まず「経営セーフティー共済」をフル活用する方が先だといえます。

 

生命保険を活用した課税の繰りべ延は経営セーフティー共済の活用後に法人の課税所得が800万円を超える場合か、もしくは現預金に余裕があり資金繰りに影響を及ぼさない範囲内で、損金算入割合を問わず単純返戻率が100%により近い保険商品で検討をすることが肝要であると考えます。

 

今回の事例についても、返戻率がそれほど良くない長期平準定期保険を解約して、掛金の安い収入保障保険で保障を確保しました。

解約に伴う雑収入部分は経営セーフティー共済の前納を活用して対応し、さらには前払保険料として資産計上されていた部分は預金に振り替えになりますので、資金繰りの改善につなげることが可能になります。

 

□  ■

なお後日談として、今回の提案に喜んでいただいた社長から、本法人は自計化をして社長ご自身がタイムリーに経営状況を把握していることもあり「法人の事情を考慮せずに保険提案し、さらには適切な指導をしない会計事務所とは顧問契約を解約したいので、別の会計事務所を紹介してほしい」というご依頼もいただきました。

損害保険のご提案時に決算書をお預かりしてから思わぬ拡がりを見せた事例としてご紹介しました。

 

 

 

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