Web版 保険情報

法人営業舞台裏のレッスン帳

 

福利厚生充実させベアの負担を回避

 

時代の移り変わりとともに、法人販売にも色々な局面が訪れる。ここ、あおぞら生命保険の東京支社、東京営業所長、長さんには色々な相談事が持ち込まれる。今日のテーマは「福利厚生の見直しをどうするべきか、考えをまとめよう」の巻だ。社会情勢を見据えて、かつ基礎から整理して、始業のチャイムまで朝勉だ。

 

消費税アップでベアがなければ

 

三平 サブさ〜ん、おはようございます。あ、長さんも、おはようございます。今日も朝勉よろしくお願いしま〜す。

サブ おはよう、朝から頭脳をクリアにしてきたか?

三平 はい、そりゃーもう。吸収できるように空っぽにしてきました。ニュースも見ていません。

サブ あほか。情報は毎日しっかり蓄積しろよな。新聞もちゃんと読まないと。

三平 じょ、冗談です。

長さん おはよう、三平君。では、最近気になっているニュースや記事は何?

三平 はい、ここ最近でいちばん気になっているのは、他の保険会社のベースアップ記事です。気になってしようがありません。

サブ お前、自分のことばかりだな。

長さん まあ、そうとばかり限らないわよ。なかなか面白い目の付け所だと思います。もう少し視野を広げると、関連した記事には他にどんなものがあった?

三平 そうですねぇ。他業界の大手企業でも軒並みベースアップで、次は中小の番だ、というような記事だったと思います。

サブ 一応はちゃんと新聞もチェックしているようだな。

 

長さん それを他の人が見たときにどんなふうに感じているのかしらね。

三平 他の人って?

サブ われわれが気にしている人たちだよ。つまり、中小企業の社長や従業員の方たちだ。

長さん どんなふうに感じていらっしゃるのかしらね?

三平 たしかに、そうですね。聞いてみたい気がします。想像ですが、経営者からすると「売り上げがどんどん上昇していればよいけど、ベースアップはできるだけしたくない」というのが本音じゃないかという気がします。

長さん そういう本音の方も多いかもしれないわね。一方で家族経営というか、できるだけ利益は従業員、という方針の経営者もいらっしゃるわね。いずれにしても、利益や売り上げが上昇していてベースアップの体力が充分にあることが条件となるのでしょうね。

 

サブ 三平、一方で従業員側はどうだろう。

三平 僕も気になるように、上げてくれないかな、というように気になっていると思います。上がらなかったら不満でしょうし、上がっても他と見比べてしまうかもしれません。

長さん みなさん、本音はそうなんでしょうね。経営者から遠い立場の従業員は本音が言えても、経営者に近い立場の人は、本音を言えないし経営状態がある程度分かっていたら上げてほしいとも言えないし、複雑かもしれないわね。でも、上げてほしいのは間違いないと思うわ。

サブ 来年には消費税のアップが控えているだろう。だからだよ。デフレで物価が下がったりしてベースアップがなくても何とかつないできたけど、消費税アップ・消費(景気)拡大・ベースアップと、連携された仕組みだからね。

三平 つまり、ベースアップしないと取り残されていくと……。消費税が2%上がるのだから、ベースアップも2%だと、そういうことですか?

長さん 経営について一側面からは何とも言えないけど、従業員の士気が最終的に売り上げに響いてくるケースもあるって聞いたことがあります。2%がよいのか1%で充分なのかって問題も企業ごとで企業風土や労働条件が違うだろうし、ベースアップしなかったからすぐに不満が爆発するってことでもないでしょう。でも従業員満足度の影響から労使の思惑にずれが生じていくことになるのでしょうね。

 

従業員満足度高めるお手伝い

 

三平 実際、中小企業ではどうしていくんでしょうね。

長さん 動けない会社が多いかもしれないわね。経営ではベースアップ問題が大きいだろうとは分かっていても、その前にやらなければいけない問題があるからよ。

三平 何でしょう?

サブ お前もさっき言っていただろう。消費税問題だよ。

長さん そうね。どの企業もというわけではないでしょうけど、来年の消費税アップによって売り上げにどれだけ響くか、あるいは値段設定を変更するか、ということに悩んでいらっしゃるようね。ベースアップ以前に売り上げと利益確保がどうなるか、下がらないかということが気になっていらっしゃるのではないかしら。

三平 たしかにそうですね。消費税率が変わるたびに悩まれるのでしょうけど、価格据え置きなら、利益ダウンで売り上げを伸ばさなければならない。消費税分価格アップなら単価の利益は確保できるけど、売り上げがダウンする恐れがある。

サブ ベースアップの原資となる利益が確保できるか、これから上乗せでベースアップを考えるには厳しい環境だよな。

 

長さん 大企業においては、経済全体を見て判断していかなければいけないと思うけど、中小企業においては、実際の売り上げや利益を見ていかなければいけないから、すぐには動けないという企業も多いのではないかしら。

サブ ところで三平、ベースアップと手当増額、経営者が好むのはどちらだ?

三平 サブさん、それは初級すぎませんか? 手当増額です。

ベースアップは一度上げたらなかなか下げられないからです。手当なら、額を下げたり廃止したりすることがベースアップほどは抵抗がありません。

長さん そうよね、だから、中小企業において強いベースアップの要求の反面で動けないのなら、あえて福利厚生制度について今までの内容を確認しながら見直しを行い、「ちゃんとベースアップも考えているけど、今はここまでです」と従業員満足度を下げない努力を示していくことも重要なのではないかしら。

三平 なるほど、総合的な観点から企業のニーズが少し見えてきたような気がします。

 

2015年5月1日 第2718号 掲載

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