景気サイクルに影響されにくいエリアとしてインフラ分野に注力─第一生命は10月25日、2017年度下半期運用方針説明会を行った。重本和之運用企画部長(=写真)が説明した。下半期の取り組みとして、次の5項目を挙げる。
①資産分散の強化(新規分野投資の推進)
②投資対象の拡大と為替ヘッジコスト抑制の取り組み
③将来変動に備えた金利・信用リスクの予兆管理
④グループシナジーの強化
⑤ESG投資の推進
⑥スチュワードシップ活動の推進
新規分野投資の推進について、重本部長はその背景をこう指摘する。
「景気サイクルを考えると、クレジットサイクルも長期にわたって信用スプレッドが縮小してきている。ここから企業のクレジットリスクをどんどん取っていく局面というよりは、株、債券とはリスク特性が異なるものをできるだけポートフォリオに組み入れていきたい。景気サイクルに影響されにくいエリアとしてインフラ分野に注力する」
上半期に手がけた案件として、インフラ系ではカタールの天然ガス処理プラント設備建設プロジェクト(約57億円)、トルコの病院整備運営事業プロジェクト(100億円)を挙げる。
実物資産では、海外不動産投資を26年ぶりに再開。過去は海外に現地法人を設立して、不動産物件に直接投資していたが、今回は流動性を考慮し、さらに少額でも物件の分散投資ができる「ファンド・オブ・ファンド」の形態を取る。投資額は100億円。
為替ヘッジコスト抑制にも取り組む。「米国の利上げに連動する形で、為替ヘッジコストが徐々に上がり、ヘッジ外債の収益性がどうしても下がる」ことが背景にある。
対応の一つが外債の対象国・通貨の拡大で、9月末で 37カ国・23通貨。通貨数は4月から増え「いろいろな地域、通貨に分散しながら安定性を高めている」。なお、2009年度は9カ国・8通貨だった。
ちなみに、各国の10年金利にヘッジコストか掛けた、ヘッジ後利回りを見ると、米国(10年金利2・3%)とオーストラリア(同2・8%)などは0・5%とかなり低くなる。
これに対して、ドイツ(同0・5%)、スウェーデン(同0・9%)のほうが10年金利は圧倒的に低いが、ヘッジを掛けた後の実質的な利回りは、ドイツが0・7%、スウェーデンは1・3%と高くなった。
下半期の資産ごとの運用計画では、円債は超低金利のために国債の買いはストップしている。それに対してインフラ分野、プロジェクトファイナンスの新規分野は増加させる。
ヘッジ外債は、ヘッジコストが上がっていくことを前提に、残高は上半期は減少。下半期も金利水準しだいで、ヘッジ外債を積み増す可能性は低い。
オープン外債は上半期に増加。下半期は為替水準次第だが、足元では増加方向の可能性が高い。
重本部長は「日米の金利差に為替が非常に連動していることから、ヘッジ外債が金利上昇によって、含み益を少し失う状況になったときは、ドル円が上がっている可能性が高い。オープン外債とヘッジ外債を合わせた外債はある程度は増加する」という考え方を示す。
国内株式は減少。「株価水準しだいだが、だいぶ、いい水準にきている」と見る。下半期はインステックなどの成長株投資を継続するが、リスク許容度や株価水準しだいで機動的にコントロールする。
外国株、オルタナティブ、不動産は上半期も下半期も増加。「全体の中でこのアセットを増やし、リスクリターン特性の向上というエリアになっている」。
貸し付けは弁済などで残高が減少。超低金利なので見合う貸付先がないという。
Q ヘッジ外債とオープン外債の合計は下期は増加か。国内株の買いの水準は。
重本 オープン外債の残高増の見込みは、ヘッジ外債の減よりも大きいので、外債全体としては増加になる。その背景には円金利の部分、国債が償還してくるとか、貸し付けの償還を円の投資では捌ききれないので、そのように見込んでいる。
他社と状況が違うのは、銀行窓販向けの商品を第一フロンティア生命で扱っているので、そのニューマネーは第一フロンティア生命で運用しており、新規の原資が少額という特徴がある。
国内株はどこまで下がったら買いを入れるかは、そのときに出ているいろいろな情報によってレベルは少し変わってくる。外国株と日本株の売りと買いはだいたいフラットだが、中身は日本株がグローバルに入れ替わった状況。
Q 新規分野への投資は案件をめぐる競争が厳しいのでは。
重本 日本の機関投資家の投資行動として、日本国債は買える状況ではない生保が多い。インフラ系の実物資産の投資は競合というよりも、一緒に投資している案件があるのは事実。ただ、当社がちょっと違うのはクレジットエリアは、他社に先んじて積んできたので、どんどん増やす状況にはない。クレジットサイクルは終盤に差し掛かっているという認識なので、そこについては気配りをしている。
Q プロジェクトファイナンスなどで、いい案件を探しだす目利き力をどう高めていくのか。
重本 低金利の中でインフラ投資に重点的に取り組んでいる生保は欧米にも多い。欧米での案件は現地で売り切れる可能性が高い。ただ、資金調達サイドは現地の投資家だけでなく、グローバルに資金を調達するという、調達先の多様化というニーズはある。
われわれとしては、一つの手段としていろいろな取り組みをリリースする。「この案件に取り組んでいます」と事後的だが、できるだけリリースして、証券会社、投資銀行にアピールして、案件を紹介してもらえるようにする。
もう一つは、案件を海外から持ってくる証券会社、投資銀行と一緒に海外に出張し、発行体回りをして、取り組み状況を説明することで、現地で認識してもらうことも大切だ。
FPの一部では「医療費用は貯蓄で賄えばよい」という議論がありますが、民間医療保険の必要性をケースによって検証する必要がある。この検証に必要な考え方が「リスクマップ」です。
今回は、明治時代以降に作られた近代的な戸籍についてのお話です。これらの近代的な戸籍は家系図を作成する上で、非常に大切な資料になります。また、法改正による戸籍の様式変更に加えて、戸籍には3種類があります。
不当解雇やセクシャルハラスメント・パワーハラスメントなどの各種ハラスメントを理由とする従業員からの損害賠償請求リスクに備える。この商品は同社のD&O保険に付帯できる特約の補償内容を拡充し、単独で加入可能にした。
新規事業展開と運転資金の確保のために度々銀行から融資を受けてきた結果、合計の融資残高が約10億円に。万が一のことが発生した時に、どういう状況になるのか教えてほしいとのことでした。
今回の事故の発端になった「あおり運転」ですが、昨年、道路交通法の「車間距離保持義務違反」で摘発した件数が7,625件、そのうち高速道路上での違反は約9割の6,690件だそうです。
中小企業オーナーの関心ごとである運転資金の確保。金融機関の融資の可否は、まずは決算書によります。行職員の決算書分析の基本は、生保提案においても押さえておきたい重要事項でもあります。
来年の4月、生保標準生命表の改定が決まっているが、それに合わせて改定を行う。主な対象商品は「総合福祉団体定期保険」など。主な対象商品において、40歳男性は約15%前後割安になる(月払い、保険金額100万円の場合)。
「何をすればお客さまは喜んでくれるのか」をいつも考え、そして実行している。そんな中から顧客の信頼を得てきた鶴原さんは、信頼を武器に顧客の家族に連鎖的に保険を販売していく。
第一生命は、先進国を中心とした私募REITファンド・オブ・ファンドへ100億円投資した。
不動産物件への直接投資ではなく、複数の私募REITを組み込むファンド・オブ・ファンドに投資することで、15カ国・500物件以上の投資対象に効率的に投資することができる。
また、不動産物件への直接投資に比べ、「流動性(換金性)も比較的高く、市況悪化時の損失リスクの抑制が期待できる」という。
REITは、投資家から集めた資金で不動産へ投資を行う投資信託で、取引所に上場されず、投資機関家など特定の投資家を対象に販売されるREITを私募REITと呼ぶ。
三井住友海上プライマリー生命は11月1日、外貨建て定額終身保険の累計販売額が3兆円を突破した、と発表。
同商品は2012年7月発売。外貨で複利運用し、目標達成した場合は資産が自動確保される。「シンプルでありながら安心して運用できる商品性が幅広いお客さまから好評」という。
また、金融機関代理店向けに「お客さま本位のヒアリングスキル研修」の提供を開始した。特長は次の3点。
①聞く・聴く・訊くの3ステップでヒアリングスキルを極める。
②設定された顧客情報をもとに演習を実施。
③具体的な提案方法まで考える、実践的な研修。
「この研修はこれまで当社が培ってきた研修ノウハウを最大限に活かした『お客さま本位の業務運営』の実現を支援するプログラムとなっている」という。
なお、同社の保有件数は94万6000件、保有契約高は5兆8620億円(2017年6月末)。
制作 株式会社保険社 保険情報・ネットソリューション・チーム
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