2017年11月10日 2839号

 

オリス

 

「50周年」にアジアから集う

故川井氏、故坂口氏の貢献を讃える

 

半世紀にわたる生命保険事業の発展を振り返り、さらに次の半世紀にわれわれが進むべき方向を確認する─アジア生命保険振興センター(OLIS、オリス)は「OLIS創立50周年記念シンポジウム〜生命保険の更なる発展」を開催した。

 

10月25日、26日の2日間、東京・平河町のJA共済ビルカンファレンスホールに、アジア17の国と地域から、生命保険関係者約160名以上(行政、保険協会、保険会社の役職員)が参加。

 

オリスは、ジブラルタ生命の前身、協栄生命の創立者である故川井三郎氏が1967年に創設。国内やアジア各国での研修事業を中心に人材育成に力を注いできた。東京セミナーの参加者だけで4600人を超える。

 

冒頭挨拶に立った寺田重陽理事長(=写真)は、オリスと関係の深い二人の経営者であり、アクチュアリーでもある、故川井三郎氏と故坂口陽史氏の業績を紹介。

 

「オリスが50年にわたり、活動して来られたのも、良き理解者であるお二人の援助のおかげであると深く感謝しています」と述べた。

祝辞では、スポンサー会社として、倉重光雄プルデンシャル・ホールディングス・オブ・ジャパン会長が挨拶。

 

「今年50周年を迎え、この間、オリスがアジア各国の生保事業の発展に寄与し続けてきたことは大変にうれしい」とその業績を評価。

 

海外からの参加者で、韓国生命保険協会のKisung Kimチーフ・マネジング・ディレクターは、韓国の詩を引用して次のような祝辞を述べた。

 

「オリスの歴史、50周年は厳しい大変な道だが、慎重な歩みだった。ただ、この歩みにより、今日50周年のシンポジウムを開くことができた。今日から歩む第一歩は、新たな課題に取り組む上で、そして道しるべを作る上で、希望をもたらしてくれる」

 

アクチュアリーの役割も強調

多様な少子高齢化対応に学ぶ

 

シンポジウムは「過去50年間の生命保険事業の歩み」と「今後の生命保険事業の展望」の二つのテーマで構成。

 

過去50年間の歩みでは、日本の生保事業の年代ごとに直面した課題、生保市場の発展の軌跡、少子高齢化に伴うマーケットニーズに対応したマーケティング戦略などについて、米山高生東京経済大学教授(一橋大学名誉教授)、生命保険協会の佐々木豊成副会長・小柳智裕国際部長が時系列的に分かりやすく説明。

 

また、アクチュアリーの立場から、角英幸日本アクチュアリー会理事長は、同会の歩みとともにERMの重要性、その人材育成に触れ、最近力を入れているテーマとしてビッグデータ、データサイエンスを取り上げ、今後、アクチュアリーの業務領域がさらに拡大すること強調した。

 

また、吉村雅明ミリマン日本代表(国際アクチュアリー会次期会長)も国際アクチュアリー会の活動を紹介。

 

さらに、生保業界が直面している喫緊課題であるデジタル化への対応について、ニッセイ基礎研究所の松岡博司主任研究員が海外事例や医療ビッグデータと生保の新しい事業モデルの関係などについて報告した。

 

参加したタイ、マレーシア、インドネシア、フィリピンの代表からは「わが国の生命保険事業の歩みと現状」をテーマに、最新動向の報告があった。

 

そのなかで、タイ生命保険協会のPicha Siriyodhinエグゼクティブディレクターは、今後の課題として各国に共通する次の6項目を挙げた。

 

①低金利。今後も低い水準が続くと考えており、生命保険会社に大きな影響を与えている。低金利に合った商品開発を進めている。

②高齢社会。タイの人口は6480万人で、高齢者の割合は10・3%。これが2025年には20%以上になる。高齢化に伴い医療の重要性が認識されている。また、引退に備え、年金はこれから注目される選択肢の一つ。生保業界の年金シェアは増える。

③デジタル化。生保会社はITシステムを構築して業務を行い、書類の処理、複雑性を下げることなどが目的。デジタル社会の消費者のライフスタイルに対応しようとしている。

④保険の自由化。2020年にアセアン経済共同体加盟10カ国は、保険の自由化を遂げる。総人口は6億人になり、国内外への参入で競争は激化する。その準備をしなければいけない。

⑤死亡率表。保険当局は2カ月前、新たな死亡率表を公表した。これは各社の保険料に直接影響を与える。

⑥IFRS9&IFRS17。タイ財務報告基準の施行変更は、3回に分け3年間で行われる。これは多くの形で影響を与える。例えば財務緒表、財務報告、生保会社の運営も変わってくる。保険業界は真剣に受け止め、保険当局と歳入庁との間で調整をしている。

 

国際的な規制動向については、日本生命の大久保亮調査部国際渉外部長(NY駐在)から詳細な報告が行われた。

 

また、日本で1997年から起こった「生保破綻」などを踏まえ、キャピタスコンサルティングの植村信保マネージングディレクターはソルベンシー規制の推移などを説明した。「生保破綻」についての関心はアジア各国でも根強く、会場からも質問が相次いだ。

 

最後に行われたパネルデスカッションのテーマは「少子高齢化の進むアジアで生命保険事業はどう変化すべきか?」。

 

パネルデスカッションを通じて、高齢化と言ってもその段階は日本、中国、韓国、台湾の各国で異なることや、共通項もあるが異なる人口動態的な課題があることが浮き彫りになった。そしてその課題に照らし合わせて、商品・チャネル戦略、規制環境などが報告された。最後にモデレーターの大久保氏はこう締めくくった。

 

「生命保険業界挙げて、今まで経験したことのないような局面が待ち構えている。行動を起こすのは今です」

 

2面 再保険

 

RGA 生保経営と再保険の役割③

日本の生保会計と異なる損益パターン

保険計理人 石川禎久氏

 

 

日本では任意適用であるが、多くの国で適用されている会計制度である「IFRS」だが、今年5月18日、IFRS第17号保険契約の最終版が発表された。これがどのような影響を及ぼすのかについて紹介する。

 

3面 高齢社会

 

多死社会を迎えて 最終回

第一生命経済研究所 小谷みどり

 

自分らしい最期をどう迎えるかという視点は、どう生きるかという問題を考える上でとても重要だが、同時に、残された人たちが大切な人の死をどう受容していけるかという観点でも、死の迎え方を考える必要がある。

 

4〜5面 法人開拓

 

中小企業の経営者のLPを法人保険で支援

㊱家族経営の小規模法人を相続税の負担から守る

保険テラス渡辺 代表 渡辺文憲

 

私が着目したのは青果店の建物が建っている土地に「小規模宅地の特例」が適用できるかどうかでした。課税総額は約2.4億円となり相続税は概算で約4,155万円から約1,675万円に下がるからです。

 

6面 法人開拓

 

法人営業のABC 第216話

エンディング・ノート活用法⑩

税理士 池谷和久

 

社長本人が「連帯保証人」となっているケースです。昔、社長さんが資金繰りに困った時に助けて頂いた他の会社の社長さんが土下座して、連帯保証人を頼まれたので「断り切れなかった」と……。

 

8〜9面 法人販売

 

法人FPの教科書

退職金⑶

税理士 井上得四郎

 

経営成果を在職中に取得するか、それとも退職金によって将来取得するべきか。在職中に役員報酬を高く設定すれば「純資産価格は増加せずに退職金の財源はない」ことに。どちらが健全でしょうか?

 

7面 営業情報

 

損保ジャパン日本興亜ひまわり生命

乳ガンに関するアンケート調査

 

既婚の男女1,000名に、乳ガンに関する男女の意識を確認した。結果として「乳ガンに罹患しても仕事を続けたい」という女性は6割にのぼり、一方で「配偶者が乳ガンに罹患したら仕事を続けて欲しい」という男性は2割だった。

 

10面 新商品

 

明治安田生命

「50歳からの終身医療保険」

 

明治安田生命は12月2日、「シンプル」「わかりやすい」をコンセプトとしたセカンドライフ世代専用の医療保障商品「50歳からの終身医療保険」(5年ごと配当付終身医療保険〈解約返戻金抑制型〉)を発売する。あわせて契約者専用サービスとして「50歳からの健康&生活サポートサービス」を提供する。

 

基本保障は入院・手術・放射線治療で、先進医療保障を特約として付加でき、契約年齢は50歳から90歳。

 

特長として、入院日数に応じて給付金を支払うのではなく、入院1日以上で一時金を給付する「定額一時金給付タイプ」としていること、保険料払込期間中の死亡給付金・解約返戻金をなくし割安な保険料となっていることなどが挙げられる。

 

 

13面 販売技術

 

伝えたい販売力 ③

対話の主導権握るストーリーを用意

 

これだけ低金利が続き、保険商品への期待の裏返しなのか「貯蓄機能がいまひとつだから」と断られることがあります。保険の貯蓄機能についてはここらへんで一度整理しておかなければならないでしょう。

 

[トピック]

 

11月14日「世界糖尿病デー」に協賛

アクサ生命は、11月14日の「世界糖尿病デー」に6年連続で協賛する。

世界糖尿病デーは国連が定めたもので、主要国でさまざまなイベントが開催され、日本でも各地の建物を糖尿病撲滅のシンボルカラーである「ブルー」にライトアップするなど、多岐にわたる啓発活動が行われる。

同社では、マスコミとタイアップした糖尿病予防・重症化予防キャンペーンや「チャレンジ!糖尿病いきいきレシピコンテスト2017」などに協賛する。

同社は2012年7月、業界に先駆けて「アクサの糖尿病サポートサービス」を導入。その後、2016年9月「予防・早期治療サポート」(重症化予防支援保険)を発売し、今年9月には「スマート・ケア」(医療治療保険)を発売した。

 

「障害者の生涯学習支援活動」で受賞

大同生命は、平成29年度「障害者の生涯学習支援活動」に係る文部科学大臣表彰を受賞した。今年度に創設されたもので、保険会社として唯一の受賞。

同社は「全国障害者スポーツ大会」を支援しており、今年10月で25年が経過。今回の受賞は「四半世紀にわたる特別協賛や、のべ1万人を超える役職員などがボランティアとして参加して大会の盛り上げに協力してきたことが評価された」という。

なお、今年の全国障害者スポーツ大会は10月28日〜30日の3日間、愛媛県で開催された。大会スローガンは「君は風 いしづちを駆け 瀬戸に舞え」。

 

「海水淡水化」へ約156億円融資

日本生命は、オーストリア・メルボルン市における「海水淡水化プラント運営プロジェクト」へ約156億円(1億7600万豪ドル)を融資した。日生にとってオーストリアでのプロジェクトへの融資は初めて。

同プラントは人口460万人のメルボルン市の年間水使用量の約3分の1を賄うことができる世界最大級の海水淡水化施設。

同社はシンジケートローン組成段階から参加し、融資額約156億円は今回の借換総額の2割超を占める。

また、同社は東京都が発行する「東京グリーンボンド」に投資。発行総額は100億円。償還期間は5年および30年で、10年超の超長期グリーンボンドの発行は国内発行体で初となる。

グリーンボンドは環境事業に資金使途を限定した債券で、世界的に急速に市場が拡大しているという。

 

バンカシュアランス

◇アクサ生命

新生銀行、栃木銀行、大光銀行、呉信用金庫=「ユニット・リンク保険(有期型)」。10月2日。

福岡銀行、親和銀行、熊本銀行=「ユニット・リンク保険(有期型)」。10月10日。北洋銀行も10月16日から。取扱金融機関は26社。

 

 

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