2017年10月6日 2834号

 

アクサ生命 医療治療保険「スマート・ケア」

 

入院より「通院保障」を重視

入院が短期高額化、通院治療は増加

 

しゃしん まつだとりしまりやくこれから一番増えていく保障を、ある程度リスクテイクして引き受けることを決めた。これが市場に受け入れらるかは大きなチャレンジだ──。アクサ生命は9月19日、医療治療保険「スマート・ケア」を発売。松田貴夫取締役・専務執行役兼チーフマーケティングオフィサー(=写真)は、「スマート・ケア」に賭ける思いをこう述べた。12日に「医療環境の変化と次世代型医療治療保険の開発」をテーマに説明会を開いた。

 

「スマート・ケア」の特長は、入院給付金はオプションで「特則」として、これを外す設計がスタンダードとなり、代わりに「主契約」に「入院治療一時金」を入れ、さらに「通院治療給付金」(1日1万円)を基本の保障に加える。「通院治療給付金」を外して販売することはできない。

 

このような商品設計の背景として、松田取締役は医療環境の変化では、次の2点を指摘する。

①入院の短期化・高額化

②通院治療の割合の増加

 

平均在院日数は1990年の44・9日から2014年には31・9日(厚生労働省・平成2年、26年の患者調査)と、25年間で約3割減少した。「国の方針では二週間以内というターゲットが引かれており、これに近づいていくことは間違いない」と松田取締役。

 

その一方で、入院1日あたりの医療費は上昇。2001年には2万4100円だったが、2015年は3万5000円(厚生労働省・平成26年国民医療費の概況)に増加。

 

「治療密度が高くなり、短い入院でたくさんの治療を行い、早期に退院するシステムになっている」

 

このように医療環境が変化している中で、既存の医療保険の問題点として「入院日数比例」を指摘する。保険料の80%は 1日あたりの入院保障に使われ、残り20%が手術給付金や先進医療給付金に充てられている。

 

すでに、入院給付を1日あたり1万円、2万円という保障は、9割の加入者が持っているという。しかし、入院の短期高額化が進むなかで、「1日あたり薄い保障を長く続けるよりも一時金という前厚の形が必要になる。入院治療一時金は、これから新しく加入する人だけでなく、既存の医療保険に加入している人にも足りない部分を補足するものになる」と自信を示す。

 

なお、1~2週間の入院にかかる自己負担額を見ると、2016年は23・6万円。 2010年の17 ・4万円、2013年の20・7万円と比べ増加している(生保文化センター「平成22~28年生活保障に関する調査」)。

 

プライシング 健康になるプロセス組み込む

 

治療が入院から通院にシフトする中で、これまでの医療保険は入院に1万円必要なら、通院は3000円ぐらいという補助的な位置づけという。

 

「治療がすべて通院に切り替わる可能性があり、その時のコスト負担は入院と変わらない。通院給付を入院と同等、むしろ重視する。これはとても重要なことで、入院に1万円必要なら、通院は3000円で済むという理屈はない」

 

「スマート・ケア」の通院給付金の保障範囲は①退院後120日以内②入院前60日以内③手術後120日以内。手術後120日以内は業界初という。

 

プライシングにも自信を示す。例えば、ベーシックプラン(入院一時金10万円、通院給付と入院日額は1日あたり1万円、手術給付50万円~5万円)で、男性40歳が月6240円、女性が月5420円。A社(手術給付は40万円~5万円)のケースでは、男性40歳が月6260円、女性が月5680円とほぼ同じ。

 

「手術、通院だけを見ると右肩上がりで増えている。これを終身で一生涯同じ保険料で引き受けるのは、保険会社にとってリスキーな取り扱いになるが、アクサはお客さまが健康になるプロセスを組み込むことで引き受けられる。これから一番増えていく保障をある程度リスクテイクして引き受けることを決めた」と熱く語る。

 

「スマート・ケア」の販売目標は年間で最低15万件を見込む。CCI(営業職員)、FA(フィナンシャルアドバイザー)、代理店の3つのチャネルで販売する。

 

サービス原資 予定発生率の改善織り込む

 

「Payer to Partner」。アクサグループが世界レベルで2020年に向けて掲げているビジョンだ。松田取締役は、パートナーとして、サポートできる3点を指摘する。

 

①病気の予防をするためのサポート。

②正しい診断を受けるためのサポート。病気に対する正しい理解と正しい治療方針をとってもらう。

③対応のサポート。長く続く退院後のケア、高齢者の介護状態へのケア、あるいはリハビリのケアなど。

 

この考えをもとに、「アクサメディカルアシスタンスサービス」に新サービスを追加した。予防領域では、食事管理アプリ「あすけん」のサービスを提供。ウィットが提供するもので、カロリー計算、14種類の栄養分析、管理栄養士によるアドバイスを届けるオンラインサービス。「お客さまのさまざまな行動様式に影響を与える様々なサービスをスタートしたい。今回は食事に焦点を当てた」。

 

「Doctors Me(ドクターズ  ミー)」は、画像診断を含めた健康診断サービスで、正しい診断にたどり着くためのサポートになる。サイバー・バズと提携し、同社のオンライン健康相談サービスを導入する。

 

「介護・リハビリサポートサービス」は、既存の「3大疾病サポートサービス」を改定し、軽度認知症をチェックして、早期発見・早期診断につなげる「あたまの健康チェック」の利用もできる。

 

今後、予防ならすべてのサポートができるようなサービスラインを拡充する。その原資について、松田取締役は「予定発生率の将来の改善をある程度織り込めると予測をしている。その根拠のひとつが予防に対する投資。健康で幸せな状況を長く維持できると必然的なコストリダクションができるはずだ。コストリダクションのオポチュニティ(機会)や発生率の改善を考えると、予防支援の原資は十分に賄える」と強調する。

 

2面 行政

 

全業態が顧客本位の募集態勢を

関東財務局長  浅野僚也氏に聞く

 

今回のヒアリングは問題点を洗い出すという趣旨ではなく、ベストプラクティスを掬い上げ、保険業界にフィードバックに重きを置いた。よい事例を公表することで他の参考としてもらえればという考えの下に実施した。

 

3面 高齢社会

 

多死社会を迎えて 5回目

第一生命経済研究所 小谷みどり

 

ひとりで死ぬことが当たり前の社会は目の前に差し迫っている。どれだけ自分で事前に考え、準備しておいても、自分では絶対に実行できない死後のことを誰が担うべきだろうか。みんなが安心して死を迎えられるにはどうすればいいのか。

 

4面 中小企業開拓

 

助成金・補助金の活用

NPO法人と助成金

行政書士 石井亜由美

 

設立で一番難しいのは、事業計画と収支予算です。また、設立趣旨書も分かりやすく、簡潔に書く必要があります。社員10名が必要という条件がなかなか決まらず、設立まで時間を要する法人も多くいます。

 

5面 市場開拓

 

白地だらけの市場を開拓

⑥ローラー活動、軒先・庭先での留意事項

 

黙って門を開けず、必ず「ごめんください」と大きな声で挨拶。インターフォンを押す以前から、中にいる方がこちらの様子を窺っていることが非常に多くみられます。お隣が見ていることも珍しくありません。

 

6面 法人営業

 

舞台裏のレッスン帳

事業承継④  相続税完全防衛額を一瞬にして算出

 

エクセルの「ゴールシーク」を使って、相続税の完全防衛額の表を作っていきます。何回も計算していくと、保険金=税額となる金額が発見できます。自分でシミュレーションすると話法にも磨きがかかります。

 

7面 育成

 

杉ちゃんと恵ちゃんの紙上出張トレーニング

②初回訪問の反省点と興味を持ってもらうアプローチ

アリフェース㈱取締役 杉本恵子

 

「この場合は、どれくらいの必要保障額が必要だと思われますか…?そうなんです!よくご存じですね!」と、会話のキャッチボールをしないと、一方的にが話をしているとしか、お客さまは受け止めてくれません。

 

8〜9面 FP販売

 

見込み客に困らずセールスする仕組みづくり

④ネットワークからの紹介につなげるには?

寿FPコンサルティング 代表 高橋成壽

 

1人で活動している方、職場の同僚と一緒に動いている方、キーマンからの紹介を得ている方など、日々の営業活動に正解はありません。今回は、隣接業界や異業種など同業以外の方から紹介を得る活動を紹介します。

 

10面 新商品

 

かんぽ生命

「医療特約  その日からプラス」他

 

「医療特約  その日からプラス」は、無配当傷害医療特約と無配当総合医療特約から構成され、入院初期保険金のあるⅠ型と入院初期保険金のないⅡ型がある。入院1日目に入院保険金日額の5日分を上乗せする(Ⅰ型の場合)。

 

[トピック]

 

FinTech革命が保険監督、保険業界に与える影響

日本保険学会「平成29年度全国大会」(10月27日〜29日)主な内容は次のとおり。

27日=連携プレセッション「学会はこうなって欲しい」

28日=モーニングセッション「海外ジャーナルへの投稿のために─保険学における国際的な研究報告の観点から」(同志社女子大学・大倉真人氏)。

シンポジウム「今、学会の存続をかけた若手研究者の育成」。「シンポジウムの方向と学会の現状(問題提起)」(滋賀大学・久保英也氏)、「保険業界が学会に求めること」(三井住友海上・村田毅氏)など。

招待講演「FinTech革命が保険監督、保険業界に与える影響」(金融庁総務企画局信用制度参事官・井上俊剛氏)など。

29日=連携特別セッション「われわれは近時のエマージング・リスクにどう向き合うべきか」。ポスタービューイングでは、若手報告者と参加者全員が対話をする。

共通論題「自動運転が引き起こす保険業界の変貌とその対応」。「急進展する自動運転の現状と課題」(日産自動車・福島正夫氏)、「自動運転が保険業界に与える影響」(東京海上日動・池田裕輔氏)など。

 

「Myアクサ」での給付金請求手続き本格化

アクサ生命は、契約者向けオンラインサービス「Myアクサ」での給付金請求手続きを本格的に開始した。同手続きでは次のサービスが利用できる。

①24時間いつでも。どこでも、給付金の請求手続きができる。

②少額の請求の場合、手続き開始から最短2日で受け取れる。

③Myアクサに登録されているデータを活用するため、入力項目は最小限で済む。

なお、「契約者受付」のオンラインサービスの開始も予定。

 

「#老後を変える」キャンペーン開始

メットライフ生命は9月11日、「#老後を変える」キャンペーンを開始した。

テレビCMやネットの動画配信では、同社で働くさまざまな部門の社員が登場し、「仕事を通じてお客さまの健康で豊かな老後のために、日々何ができるかを、その意気込みや想いを語る」。

キャンペーンサイトでは①楽しむ②豊かになる③備える、をテーマにさまざまな情報を提供する。

 

ベトナム・サコムバンク通じ保険を販売

第一生命ベトナムはサコムバンクを通じた保険販売を開始する。生命保険商品にかかわる20年間の独占銀行窓販販売契約を交わし、9月6日にホーチミン市で式典を行った。

サコムバンクはベトナム最大手の民間銀行で約550の支店網を持ち、従業員は約1万5000人。今後20年間、第一生命ベトナムの商品を独占的に販売する。

同社のシェアは収入保険料ベースで業界4位。今後、成長が期待される銀行窓販チャネルでの業績向上を目指す。

なお、第一生命は2016年1月、ベトナム郵便会社と生命保険商品に係る15年間の独占販売契約を交わした。2030年まで、第一生命ベトナムが生保販売の唯一のパートナーとなる。

◇   ◆   ◇

第一生命は、ASEAN地域の中堅・中小企業を投資対象とするプライベート・エクイティ・ファンド「Exacta Asia Investment Ⅱ LP」に約33億ドル投資する。

同ファンドは、みずほ銀行が39.9%出資する「Exacta Capital Partners」が運用を行う。「ASEAN地域の企業への投資を通じた地域経済の活性化への貢献という社会的意義を持つ」という。

 

 

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