2017年7月21日 2824号

 

コープ共済連 16年度業績と17年度共済推進

 

共済推進「稼働量」低下が影落とす

期待の「ジュニア20」新規減少

 

2016年度は、新規加入は人手不足の影響があり厳しかったが、解約・失効の防止など各生協でのきめ細かい対応により、純増数は計画を下回ったものの15万人となり、元受共済加入者は809万人となった──。

 

日本コープ共済連は6月16日、第9回通常総会を開催。冒頭、挨拶に立った佐藤利昭理事長は2016年度の概況をこう述べた。

 

純増者数は計画の19・2万人に対して4・2万人減の15・0万人となり、未達の要因として、議案書では次の4項目を挙げる。

 

①「たすけあい」の商品改定では、新設の先進医療特約の付帯は増加したが、「たすけあいジュニア20」は新規加入が前年度実績を下回った。

②共済推進スタッフ(専任)の増員と加入申し込み受付比率は超過達成したが、情報連携型推進の確立まで至らず、新規加入の増加につなげられなかった。

③会員生協の宅配・店舗における人手不足、担当者の共済推進の稼働量低下などへの対応が不十分。

④年間の加入者目標設定にあたり、会員生協目標とコープ共済目標との連動が不十分。

 

2016年度の商品改定では、9月に「たすけあいジュニア18」の年齢制限延長(ジュニア20に名称変更)、先進医療特約の新設を実施。ジュニア20では新規加入が減少した要因として、次の3点を指摘する。

 

•先進医療特約の案内に力を入れ、ジュニア20の案内量が減少。

•年齢延長により18歳・19歳の新規加入は増加したが、低年齢層では減少。

•教育研修面では、どの年齢層にどのように案内するかなどのスキルが不十分。

 

また、先進医療特約は「たすけあい」の一部のコースに100円で追加でき、支払い限度額は1回あたり1000万円。付帯件数は18・8万件(新規が8・7万件、中途が10・1万件)となり、計画の27・9万件に対しては未達だが、「たすけあい」の平均掛金の増加には寄与した。

 

ちなみに、商品別の平均掛金は次のとおり。「たすけあい」生命・住宅災害=1894円、「たすけあい」こども=1016円、「あいぷらす」(ゴールド含む)=2711円、「ずっとあい」生命=6277円、「ずっとあい」医療=3259円。

 

情報連携型推進は配送担当相(配送委託会社)と共済推進スタッフがチームで情報連携を行い共済推進に取り組むもの。その問題点としては、情報連携型推進の仕組みが十分に確立できていない、共済推進スタッフの育成ではノウハウの蓄積がなく試行錯誤が続いている、などを指摘する。

 

共済推進スタッフの2016年度登録1214人。完結率(新規加入に占める割合)は64・6%と前年度の42・4%から大幅に上昇。

 

ただ、全体の件数は減少しており、家族加入の増加など全体の業績の引上げにつなげることが課題になる。

 

一方、会員生協では、宅配・店舗ともに欠員が深刻で常態化し、共済推進の稼働量が低下し、クロージングできるチームリーダーの増加などの問題を抱えている。

 

なお、店舗共済カウンターは2016年度の新設が12店舗で、273店舗で設置されている。

 

65歳満期者向けに総力挙げる

 

「なんといっても『プラチナ85』の9月からの実施を成功させなければいけない」

 

佐藤理事長は2017年度の最優先課題として、シニアマーケット開拓を強調する。

 

「プラチナ85」は、「たすけあい」65歳満期者向けで、加入年齢は65歳〜70歳。既存の「ゴールド85」のリニューアルとともに、65歳以上の組合員が新規に加入もできる。告知項目は5つ。

 

個人賠償責任保険も付帯できようにして、先進医療特約の付帯もできる。さらに、「プラチナ85」はケガ通院保障がないので、その補完として、「たすけあい」65歳満期者に「新コープのケガ」も提案する。掛金は月2000円から5000円。新規加入者は2万人以上を見込む。

 

この分野では、県民共済「熟年コース」が先行し、加入者は400万人を超える。「現状では一桁少ないところからスタートするが、少しずつでも追いつけるように取り組みたい」と佐藤理事長。

 

生協新規組合員の「早期共済加入」にも力を入れる。「早期共済加入率」は組合員になって2カ月以内に共済に申し込んだ割合を指し、2016年度は宅配・店舗あわせ8・6%に留まり、年間目標の12%を大幅に下回った。同年度からスタートした「共済中計2018」では20%を目標に掲げている。

 

2017年度は「早期共済加入率向上」のノウハウを全国の会員生協にヨコ展開するために「展開方針」を作成し、宅配で10%以上の実現を最優先に取り組む。

 

また、2016年度から開始した「長期加入者への感謝の取り組み」は、25の生協で活発に行われ、2017年度もより多くの会員生協での活用を促す。その一環として、コープ共済の剰余金から積立を行い、資金支援を行う。

 

新しい制度では、元気な高齢者づくりを目的に、「健康づくり支援企画」をモデル事業として開始する。

 

 

全体討論では、6生協がそれぞれの取り組みを報告した。その一部を紹介しよう。

 

〈生協ひろしま〉

早期共済加入の取り組みでは、「生協新規組合員フォロー3ステップ」と名付け、営業担当と配送担当との連携を実施。

ステップ1=生協加入受け付け時。営業担当がジュニアコースや女性コースの魅力を伝える。

ステップ2=生協加入1週間後。営業担当がコープカードのお届けとともに、商品の利用を勧めるフォローに加え、「先週、ご提案させていただきました、コープ共済ですが」とニード喚起を行う。営業担当によっては、この段階で加入受け付けをする。

ステップ3=加入受け付けができなかった場合、配送担当にその会話の内容を「引き継ぎシート」で伝える。配送担当は、加入1カ月後にフォローDMを活用して、3ステップ目の声掛けを行い、「訪問約束」を取り付け、営業担当、共済スタッフへつなげる。

2017年度は「30%超え」を目指す。

 

生保文化センター16年度相談概要

 

加入検討は医療、終身、年金の順

 

相談件数は1259件で、前年度と比べる12・9%減少─生保文化センターは「2016年度版生命保険相談リポート」を公表した。

 

件数の動きを2007年度から10年間の推移を見ると、2788件から4年連続で減少し、11年度は2148件とほぼ横ばい。それから12年度(1947件)、13年度(1667件)と減少傾向。

 

14年度は1881件と増加に転じたが、15年度に448件減少して1500件を下回り、16年度はさらに174件減少した。

 

1259件のうち「生命保険に関する一般相談」は1238件で前年度に比べると174件の減少。

 

また、「生命保険会社の経営に関する相談」は前年度と同じ21件だった。

 

経営に関する相談の件数トレンドは、08年度に世界的金融不安、生保破たんをきっかけに、292件と急増したが、09年度122件、10年度に100件を切って63件となった。それ以降、11年度64件 、12年度74件、13年度21件、14年度38件と続き、15年度には21件まで減少している。

 

16年度一般相談の上位5位は下表のとおり。

15年度と比べると、「各種手続き」と「生命保険の仕組み」の順位が入れ替わり、5位に「営業職員・代理店への問い合せ」が入った。

税金の相談内容では、「受け取り時の税金」が186件で最も多く、「保険料控除の内容」が47件と続く。

 

事例では、「死亡保険金や入院給付金にかかる税金について教えて欲しい」(40代男性)、「個人年金の加入を検討している。契約者、被保険者、受取人を専業主婦の妻にしようと思っているが、私(夫)が保険料を払う場合、個人年金保険料控除を受けることができるか」(30代男性)など。

 

4位の告知義務については、「既往症・現症に対する契約成立の可能性」(24件)、「告知する内容」(21件)となっている。

 

事例では「数年前に加入した保険で告知を忘れていた項目がある。どうしたらよいか」(30代女性)、「契約内容を保険会社間で照会できる仕組みがあると聞いたが、告知した内容をほかの保険会社が知ることはあるか?」(30代女性)など。

 

5位の「営業職員・代理店への問い合せ」では、「担当の営業職員の対応が悪かった。担当者を変えてほしいが可能か」(50代男性)などの事例も。

 

また、「加入検討の相談」(159件)というカテゴリーでは、「商品選択のポイントを教えてほしい」(54件)、「自分のニーズにあっているか教えてほしい」(51件)が上位を占め、「販売している会社を教えて欲しい」(30件)、「商品内容を教えてほしい」(22件)と続く。

 

加入を検討している商品は医療保険が32・1%でほぼ3割を占め、終身保険が23・2%で続く。あとは個人年金14・6%、定期保険は12・6%、ガン保険5・4%、養老保険3・6%など、介護保険は1・8%でしかない。

 

ちなみに、11年度は医療保険50・6%、定期保険20・8%、終身保険8・8%、個人年金6・7%となっており、5年間で加入検討のトレンドが様変わりしていることが分かる。

 

[データ] 男女別では女性が59・7%を占め、年代別では女性40代が多く、男性は30代が多い。相談対象である被保険者の属性は、男性が54・2%を占め、年代別では男性は60代、女性は50代が多い。

 

相談を保障区分別相談占率を見ると、死亡が最も多く29・1%。医療23・3%、老後9・9%と続き、介護は1・2%。

 

2面 保険流通

 

代理店の地域貢献が良質の契約を生む

結心会 上野直昭会長に聞く

 

金融庁が「フィデューシャリー・デューティー」の概念を掲げて以来、各金融機関とも「動きを活発化させてきていますが、実態としてどうなのか。理念と現実の間に乖離があるという話も聞こえてきます。

 

3面 能力開発

 

マネージャーのためのメンタルスキル  5

鈴木 信市

 

私たちが日常で出来事を経験する4つの基本的な視点を理解しましょう。自覚的にさまざまな視点からの経験をする練習をしてみて下さい。きっと仕事の中に自然に新しいアイデアやヒントが浮かんでくることでしょう。

 

5面 配当

 

2016年度  各社配当金額の例示

個人保険の配当金は

 

どのくらい出ているか?

2016年度決算における社員配当金(契約者配当金)を、個人保険について一部だが各社の発表を基に例示してみた。個人保険では危険差配当率を引き上げ、その他の配当率を据え置きまたは引き下げている状況だ。

 

6面 法人開拓

 

法人営業のABC

エンディング・ノートの活用法③

 

日常生活で使う機会がほとんどない戸籍謄本ですが、本籍が書かれた戸籍は「人の生死にかかわる事項」を記録したもので、法定相続人を明確にする必要がある相続では必須アイテムです。

 

7面 社会保障

 

社会保障なんでも相談センター

高額療養費制度の改正について

 

平成29年8月と30年8月の2回に分けて、70歳以上の自己負担の限度額が改正になります。現役並みの区分を細分化して、限度額が引き上げらるとともに、一般の区分の外来の限度額も引き上げられます。

 

8〜9面 販売支援

 

コミュニケーション・ツール

「国民生活基本調査」介護編からライフプランを語る

 

介護と予防についてもっと語ろう

介護する側の負担はSNSで語られたりマスコミなどで特集を組まれたりすることも多いのですが、当事者の声はなかなか聞こえてきません。患者本人のメッセージが伝わってくるガンとは対照的です。

 

10面 新商品

 

メットライフ生命

「Flexi S(フレキシィ エス)」他

 

業界初となる認知症の診断確定で一時金を給付する認知症保障と、引受基準緩和型商品で要介護を給付する特約などを投入。引受基準緩和型は支払削減期間を撤廃するなど、介護と認知症保障を本格的に提供する。

 

14面 優績への道

 

優績へのナビゲーション ㊺

元社長夫人、飛び込みからの奮闘記10回はプレ契約訪問

 

倉田さんの成長を促したポイントは、①社長夫人としてのプライドを捨てる②未開拓エリアを飛び込みで開拓③「できる人」は勉強をしていると自覚する④顧客を大事する気持ちをモットーに活動、の4点。

 

[トピック]

 

「MY健康増進サービス」を開始

明治安田生命は6月21日、企業の健康経営をサポートするプログラム「MY健康増進サービス」を開始した。従業員が利用できるサービス概要は次のとおり。

①日々のライフログ(歩数、体重、睡眠、食事など)をスマホアプリで記録・管理し、健康の増進の維持・増進を図ることができる。

②悩みや・興味に応じた適切な動画・情報コンテンツの配信。

③食事・運動・メンタル・薬などに関する疑問について、各種専門家にチャットで相談することができる。

④FiNCモール(オンラインショップ)で、健康グッズを購入することができる。

⑤健康・メンタルヘルス・妊娠育児。介護の電話相談や、人間ドックの電話相談・予約などの福利厚生サービスを利用できる。

同社は今年2月、ヘルステックベンチャーのFiNCと「健康経営支援プログラムの開発に向けた基本合意」を結び、それに基づき共同開発した。

 

10月から商品相互供給第二弾

日本生命と三井生命は商品相互供給の第二弾を10月から開始する。

三井の「無配当一時払外貨建生存給付金付特殊養老保険ドリームロード」を、日生の営業職員チャネルで販売する。名称は「一時払外貨建養老保険ドリームロード」。

2017年1月から開始している、日生から三井へ「ニッセイ逓増定期保険」の商品供給に続く第二弾で、両社での商品相互供給が実現した。

 

法人向けラインナップの充実

かんぽ生命は6月30日、第一生命の経営者向け介護保障定期保険「TOP  PLAN  エクシードU」(5年ごと配当付生活障害年金定期保険)を発売する。

かんぽ生命は法人向けラインナップの充実を図るとともに、法人顧客のニーズへの対応力を高めることができ、第一生命にとっては、法人マーケットでの販売増加を期待できる。

同商品の特長は①経営者の介護などのリスクに年金で備えることができる②事業資金や退職慰労金などの確保に解約返還金を活用できる、など。

 

全国の小学校に『広岡浅子』を寄贈

大同生命は、学習まんが人物館『広岡浅子』を全国約2万の小学校と、約3600の国公立図書館に寄贈した。創業115年記念の一環。

小学館の学習まんが人物館は、歴史上の人物や、近年の著名人の生涯を描いた人気シリーズで、累計発行部数は285万部を超える。同社の創業者の1人、広岡浅子を描いたものは第51作目。

「より多くの子どもたちに浅子の活躍と功績を知ってほしい」という。

また、大同生命国際文化基金は、広岡浅子の生涯を描いた『小説 土佐堀川』(古川智映子著)のタイ語版を出版した。

翻訳出版事業「ジャパニーズ・ミラーズ」シリーズの40作目にあたり、タイ語の作品としては12作目。

 

 

 

 

 

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