2017年6月9日 2819号

 

第一生命グループ 17年度営業戦略・16年度業績

 

事業分散、地域分散の効果で増益

新契約ANP 年金、外貨建、第三がけん引

 

しゃしん おかもとしっこうやくいん「第一生命グループはM&Aを含む成長戦略の実行と併行して、足掛け10年にわたり株式会社化、持ち株会社への移行という組織体制の整備に相当な人員、コストを充ててきた。2016年度は事業分散、地域分散の効果が出て増益を確保したが、これからは稲垣精二新社長のミッションステートメントどおり『真っ先に真っすぐ未来を切り拓く』ことに全力で取り組み、持続的成長を目指したい」

 

第一生命ホールディングスは5月15日、2016年度決算報告を行い、第一生命の岡本一郎執行役員企画・調査本部長兼経営企画部長(=写真)は、決算の概要説明の最後をこう締めくくった。では、2016年度決算はどんな結果になったか。

 

第一生命グループの連結経常収益は、前年度比12%減の6兆4567億円。これは低金利環境を背景に円建て一時払貯蓄性商品の販売抑制が主因。「国内グループは医療・介護などの第三分野商品が増加し、減収幅は想定範囲に収まった」という。

 

一方、連結純利益は30%増の2312億円と、6期連続の上場来の最高を記録。第一フロンティア生命が国内金利上昇により、責任準備金の戻し益が計上され増益となったことも要因。これによって、2016年度は減収増益となった。

 

同グループの新契約年換算保険料は13・8%増の4407億円、うち国内3社の生保事業3719億円、海外生保事業が(米プロテクティブ、豪TAL、第一生命ベトナム)688億円。

国内では貯蓄性分野で、第一生命の平準払い個人年金、フロンティア生命の外貨建て定額商品が伸展し、保障性分野では第一生命の第三分野が17・6%の高い伸びを示した。

 

保有契約年換算保険料は7・0%増の3兆6334億円。うち国内が2兆8653億円、海外が7681億円。「各社が順調に保有を積み上げ、グループ全体でプラス成長した」と岡本執行役員。海外3社は為替要因を除いた現地通貨ベースではすべてプラスとなった。

 

ちなみに国内3社の保有契約年換算保険料は第一生命が4・0%増の2兆1472億円、フロンティア生命が26・0%増の7127億円、ネオファースト生命が36・0%増の53億円。

 

基礎利益は144億円増加して5584億円。平均予定利率は2・34%で、基礎利益上の運用収支等の利回りは2・59%となり、順ざやを維持している。

 

「資産のストックベースでは2%超の基礎利回りを確保しており、第一生命が順ざやを維持したことも基礎利益の確保に貢献した」。なお、国内2社の順ざや額は883億円、うち第一生命は721億円。

 

有価証券の含み益は6366億円減の5兆4910億円。国内外の金利上昇によって国内債券と外国証券の含み益減少が主因で、国内債券は7790億円減の3兆2439億円、外国証券が2463減の5200億円となった。

 

トータルリテラシー教育推進 10年満期迎えるフロンティア

 

Q 昨年から「5年間育成」に取り組んでいるが、1年後の現状をどのように受け止めているか。2017年度の重点ポイントは。

五十嵐克弘業務部部長 2016年度は給与水準を含めた制度改定を実施した。併せて5年間育成体制を大きく打ち出し、教育制度、運営面の強化を通じて、将来を担う人材の多数育成に注力して取り組んだ。

育成率はほぼ予定どおりで、この効果もあり営業職員の在籍数が伸び、2017年度は4万人でスタートを切ることができた。

今期の新しい取り組みでは、現場の指導層(オフィス長、トレーナー)に対して、運営面、教育面そして給与などを含めた制度面を改定した。さらに職員育成に注力できる環境を整えている。

 

Q 営業職員の高度化では、コンサルティング力の強化を推進しているが、この面での新しい動きは。

五十嵐 金融知識、健康情報、医療、社会保障制度など、多様なマーケットニーズや環境に対応できるコンサルティング力を高めるために「トータルリテラシー」教育を推進している。

昨年度から教育インフラを高度化しており、タブレット端末「DL PaD」で、営業職員がいつでも見ることのできるコンテンツを数多く配信している。

 

Q 育成率はどのぐらいアップしているか。

五十嵐 最終的には5年後に、今の倍のレベルにしたい。そこに向けて段階を設けており、初年度はその目標を到達できた。息の長い話だが、1年1年しっかりと状況を見ながら手を打ち続けたい。

 

Q 4月から保険料アップがあり、貯蓄性商品が全体的に上がっている。業績への影響をどう受け止めているか。

岡本 保障性にシフトしており、4月に発売した「ブライトWay パワープラン」は月3万件以上売れている。貯蓄性の個人年金「しあわせ物語」は落ちている。

五十嵐 貯蓄性は厳しくなっているので、一時的に落ち込んでいる。しかし、保障性にだいぶシフトしてきていることや、フロンティア生命の外貨建て定額商品を営業職員チャネルで販売するなど、提携関係の商品を含める中でしっかりと件数を積み上げていく。

 

Q フロンティア生命の保険料等収入は8841億円減少して9888億円と激減したが、今年度はどのように巻き返しを図るのか。

岡本 金融環境の影響を大きく受けるが、ニーズは引き続き強く、この貯蓄性市場は4兆円〜6兆円の規模を維持できるだろう。円建ては昨年12月から一部再開しており、円建てと外貨建て定額を勧めていきたい。両方を勧める中で、リスクを理解した上で選んでいただくことで納得感がある。

2017年度は創業10周年を迎え、10年満期の商品が満期を迎え始めるので、魅力的な商品提供ができるようにしたいい。

 

Q ネオファースト生命は昨年12月、健康年齢を使用した「カラダ革命」を発売したが、その実績は。また、大手調剤薬局チェーンにネオファースト生命の商品を供給することを明らかにしているが、今後も異業種との提携を進めていくのか。

岡本 「カラダ革命」は3月までに2000件の実績。全体の月平均の販売件数は2016年度上期が1500件、下期が3000件と倍増している。3月は特に5400件と最も伸び、4月に入っても好調だ。

 

T&Dグループ 保有高61兆と最高

 

大同生命 新契約24年ぶり5兆円上回る

太陽生命 医療・介護が新契約をけん引

 

保有契約高は61兆4462億円と過去最高を記録──T&D保険グループは5月15日、2017年3月期決算を発表した。

 

新契約年換算保険料は前年度比3・3%増の1370億円。一時払商品は販売抑制・休止をしたが、平準払商品が増加したことが要因。特に第三分野は16・5%増の286億円と2桁の伸びを示した。

 

3社別では太陽生命が8・8%減の360億円、大同生命が19・5%増の937億円、T&Dフィナンシャル生命が50・7%減の72億円。大同生命の2桁伸展は主力の定期保険がけん引した。

 

保有契約年換算保険料は、新契約の増加を受け、前年度末比2・0%増の1兆4984億円と堅調。第三分野も6・7%増の1911億円。3社別では太陽生命が1・5%減の6365億円、大同生命が6・0%増の7478億円、T&Dフィナンシャル生命が2・4%減の1140億円。

 

保有契約高は1・4%増の61兆4462億円となり、7期連続で増加し、過去最高を更新した。

 

経常収益は2・5%減の1兆9757億円。一時払商品の販売抑制・休止や団体年金の保険料等収入が減少したことなどが主因。

3社別のトピックは次のとおり。

 

【太陽生命】

保障性新契約年換算保険料は10・1%増の170億円と2桁伸展。医療・介護系の販売が好調だった。2016年3月に発売した「ひまわり認知症治療保険」「認知症治療保険」は販売14カ月で20万件を突破。

 

同年4月からスタートした「かけつけ隊サービス」の利用件数も1年間で2万件を超えた。これは、専門知識を有する内務員がシニア契約者を訪問し、支払い手続きをサポートするもの。

また、同年10月には「認知症予防アプリ」の提供を開始しており、このような取り組みが評価され、「第9回日本マーケティング大賞」の「奨励賞」を受賞。金融機関では初めて。

なお、営業職員数は8902名。基礎利益は535億円。

 

【大同生命】

新契約は18・7%増の5兆1211億円。主力の定期保険、就業不能保障商品(Jタイプ、Tタイプ)、就業不能保障商品(収入リリーフ、介護リリーフ)の好調が主因で、5兆円を上回ったのは1992年度以来24年ぶり。

 

また、新契約高における就業不能保障商品、介護保障商品の占率は0・8%増加して20%台に乗った。保有契約も4・6%増の 40兆9922億円と過去最高を記録した。

 

なお、営業職員数は3843名。代理店は1万3878店。基礎利益は1057億円。

 

【T&Dフィナンシャル生命】

新契約は0・3%減の2354億円。一時払は57・1%減の654億円と大幅に落ち込んだが、平準払は倍増の1699億円と躍進した。

平準払では「家計にやさしい収入保障」が好調で、2016年8月のリニューアル効果で、新契約高は2・4倍に増加。

 

今年2月には第三分野の平準払「家計にやさしい終身医療」を発売、5月には契約年齢範囲を拡大した一時払終身「生涯プレミアムワールド4」「生涯プレミアムジャパン4」を発売。

 

チャネルは金融機関、保険ショップが中心で、保有契約1兆8793億円の約7割を占める。

 

「引き続き、商品ラインアップの多様化、代理店販売網の拡大、お客さまサービスの向上を推進していきたい」という。 なお、基礎利益は8億円。

 

2面 保険流通

 

気配りのセールスを支える知識武装

久米  博美

 

保険セールスをはじめて29年。前半は大手会社の生保レディー、後半は保険代理店として活動しています。「保険のおばちゃん」仕込みの肌理の細かい気配りを研鑽を積んできた知識が下支えする。

 

3面 ハラスメント 〈新連載〉

 

パワハラ防止と管理者マネジメント

加藤  勝雄

 

パワハラが社会的な問題となっているが、パワハラには法律の規定がない。したがって、管理職が「何でもパワハラ症候群」に向き合うためには、パワハラについて正しく理解し、これらの疑問や自己流解釈をクリアにすることが大事だ。

 

4〜5面 法人開拓

 

中小企業経営者のライフプランを法人保険で支援

㉛決算書を保険販売に生かす

保険テラス渡辺 代表 渡辺文憲

 

先に提案されていた全損タイプの保険に対し、今回、一見不利に見える半損タイプの保険を提案。ポイントは返戻率です。90%未満の全損タイプとと100%以上半損タイプの差は圧倒的です。

 

6面 法人開拓

 

法人営業のABC  206話

年収2538万円が開業医の平均像

税理士 池谷和久

 

24回にわたり、ドクターの年収から第7次医療法改正まで「ドクターの心をつかむ基礎知識」を勉強してきました。最終回は一問一答形式でおさらいをしていきます。チャレンジしてみて下さい。

 

7面 保険流通

 

高齢・障害を越え保険のバリアフリー化

トライアングル少額短期保険

社長 遠藤尚樹

 

平成24年に創業、その後拠点を関東に移し、26年に再出発。昨年2月『おまもりがわり』(死亡保険、引受基準緩和型死亡保険、無選択型死亡保険)の取り扱いを開始し、テレマ募集に本格参入した。

 

8〜9面 法人販売

 

法人生保税務⑵-①

GHTから学ぶ法人生保税務

税理士 井上得四郎

 

実際の販売で、GHTを取り扱うかどうかは個々のニーズを精査した上での判断になりますが、このGHTには、法人契約を推進していくうえで、認識しておかなければならない問題が凝縮されています。

 

10面 新商品

 

東京海上日動あんしん生命

新変額保険「マーケットリンク」

 

「万一の際の保障」と「計画的な資産形成」のニーズに応える変額保険。平準払い(月払いと年払い)で、保険期間満了時には満期保険金もある。解約返戻金などには最低保証はないが、死亡・高度障害は基本保険金額を最低保証する。

 

14面 採用・育成

 

実践!営業所経営

採用は自分と職員の貸借関係

 

4場所目で、拠点長として15年のキャリアを持つ磯村所長は、採用協力者を「最大評価」している。「採用とは、私と職員との貸借関係です」と語る所長だが、朝礼などで採用の協力依頼や督励をするのは稀である。

 

 

制作 株式会社保険社 保険情報・ネットソリューション・チーム

住所 〒166-0003 東京都杉並区高円寺南4-2-8 サンユースビル2 4階

電話 03-3317-0391

 

 

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