2017年2月10日 2803号

 

メットライフの外貨建て戦略

 

外貨建て医療・ガンで次の高成長を

上半期新契約  円建ての販売停止で大幅減

 

しゃしん さしんしゃーしゃちょう外貨建ての新契約ANP比率は12ポイント伸び44%へ──メットライフ生命の2016年度上半期業績は、外貨建てシフトをより鮮明にした。

 

同社は2015年度下期から、戦略的に円建てから外貨建てに軸足を移した。サシン・シャー社長(=写真)は2015年12月、「この方向は他社と大きく変わらないが、より劇的な形で展開する」と述べた。

 

16年度上半期の業績では、新契約年換算保険料は前年同期比21・7%減の500億円と大幅に落ち込み。保険料も2・4%減の7055億円となった。新契約件数も22・6%、38万6000件と減少。この主因は円建ての年金や一時払医療保険の販売停止だ。

 

では、外貨建てはどれだけ増加したか。外貨建てと円建ての新契約年換算保険料の比率を前年同期と比べるとこうなる。

15年度上半期=外貨建て32・3%、円建て67・7%

16年度上半期=外貨建て44・2%、 円建て 55・8%

このように外貨建ての占率は12ポイント伸び、新契約年換算保険料では22%伸展し、件数でも48%の大きな伸びを見せた。

 

この背景には昨年9月に投入した二つの外貨建ての効果もある。一時払終身「ビーウィズ ユープラス」と積立利率変動型終身保険「ドルスマート」を発売した。

 

「ビーウィズ ユープラス」で、ハイブリッド型(定額+変額の二階建て)の外貨建て終身マーケットに参入し、6社目になる。一時払保険料相当額の死亡保険金は定額部分で保証し、変額部分(特別勘定)への投入比率を高め、積極運用を行うのが特長。

 

「ドルスマート」は、1999年に日本初の外貨建て終身としてUSドル建IS終身保険の機能を強化したもので、ペットネームを「ドルスマート」に変えた。累計販売件数は50万件を突破している。

さらに、同社は外貨建てを積極的に提案するプロモーションの一環として「外貨リテラシー向上」を展開。

 

マイナス金利下で、「元本確保性」を円建てで達成するのが難しいことを踏まえ、「円だけでなく外貨も取り入れた保障、資産形成に対するメッセージを出すことで、外貨を認知し、検討する材料にしてほしい」と井林秀樹プロダクトマーケティング部長。

 

次年度保険料6・9%増と堅調

 

保険料は6966億円(為替換算の影響除く)と前年同期比2・1%増だが、平準払いの初年度と次年度は対照的な数値となった。

 

平準払いの初年度保険料は13・9%減の530億円。これは円建ての販売を縮小したのが要因。全体の6割強を占める次年度保険料は6・9%増の4447億円と堅調。「より多くのお客さまが長期にわたる関係を選び取っていることを示す結果だ」とグレッグ・ブレナン執行役専務最高財務責任者。

 

これに対して、一時払いは2・9%減の1987億円と落ち込んだ。ブレナン執行役専務は二つの側面を指摘する。一つが円建て一時払いの売り止め。保険料としては288億円の減少につながった。それを外貨建てでカバーでき、特に一時払終身「サニーガーデンEX」が非常に好調だった。

 

では、外貨建てシフトは今後どこまで進めるのだろうか。

シャー社長は昨年11月の「戦略説明会」でこう説明した。

 

まず、歴史的に円建て商品は大きく分類すると、①保障性②医療保険・ガン保険③年金を販売してきたが、2015年度下期から円建て年金を売り止めにし、過去1年間に保障性の比重を下げ、中期的には円建ての終身、年金の販売はゼロに近い状況になる見込み。成長分野である医療保険、ガン保険は販売を続ける。

 

「円建ての比率は55・8%だが、今後下がり続け、中期的には30%から40%になり、そのすべては医療保険、ガン保険と予想している。円建ての終身、年金の切り換えは2017年第4四半期で終了する」

 

そして、2017年から19年までの3年間は、保険料収入を1桁台の高い数値での成長を目指す。その成長源が外貨建て、医療保険、ガン保険になる。

 

「このような動きの結果、マイナス金利のさらなる影響を防ぐことができる。一方で、海外で金利上昇傾向になったときにはその恩恵を受けられる」と自信を示す。

 

デジタルな「顧客体験」に投資継続

 

同社は昨年10月、新ブランド戦略を打ち出すとともに、投資を継続する方向性として、「テクノロジーなどを活用してシンプルで分かりやすいお客さま体験」など3領域を示した。

 

新営業支援システム「e―Mirai(イーミライ)」はテクノロジー活用の一つ。タブレットを活用して、ペーパーレスによる簡単で正確な手続き、申し込み手続きの自動化・標準化、契約成立までの期間の早期化などの特長がある。標準的な申し込み手続きは約15分、契約成立は5営業日以内に大幅に短縮される。

 

昨年9月から全国に導入し、約2カ月で5000件を超える契約を「イーミライ」を通じて引き受けた。

 

また、「c―Force」は①セールスホースマネジメント②カスタマーリレーションシップマネジメントなどが狙い。

 

コンサルタント社員(約4000人)への導入では、活動の「見える化」とともに「意向把握などの活動記録を管理して、法令順守の活動をできるようにしている。見える化したなかで生産性の向上を目指せる」と山口浩一郎執行役員専務チーフディストリビューションオフィサー。

 

「c―Force」は銀行窓販、代理店チャネルに導入したが、これから1年半かけてコールセンターにも展開する。

 

シャー社長は「これによって、セールスからサービスまで一つの共通した窓口を通して、お客さま情報を閲覧できるようになる。また、Webサイトも刷新してモバイルユーザーへの最適化を図った。こうした取り組みはほんの始まりでしかない。引き続きデジタルビジネス、ビッグデータに大きな投資を続ける」と基本姿勢を述べた。

 

同社はマルチチャネルを強みとしているが、直販のコンサルタント社員の動向について、山口執行役員専務はこう述べた。

 

「直販は縮小よりもクオリティ向上を目指す取り組みをしている。当面、採用を厳選したり、評価基準を厳格に運用している」

 

なお、チャネルごとの収入保険料占率は、コンサルタント社員(約4500人)が24%、代理店(約1万店)が37%。銀行チャネルは25%、ダイレクトチャネルが14%(新契約年換算保険料ベース、2015年度末)となっている。

 

2面 保険流通

 

「100年企業を築く」態勢整備

保険あっとなびぷらねっと  代表大角泰生

 

プラネットグループは、あいおいニッセイ同和損保代申代理店の全国29店のネットワークで、発足20年で132回の会合を重ね、現在も年3回の研修会、内部監査を実施する一方、親睦を深める。

 

3面 能力開発

 

マネージャーのためのメンタルスキル

鈴木 信市

 

目標を設定することに「プレッシャーを感じる」というマイナス感情を感じませんか。それは、自分の気がついていない無意識のレベルでの活動だったからです。それに自覚的に気づいた上で、やる気につながる目標設定の仕方のポイントは4つあります。

 

4〜5面 法人開拓

 

中小企業経営者のLPを法人保険で支援

㉗あれから10年全損時代の逓増定期保険のその後

保険テラス渡辺 代表 渡辺文憲

 

改正時の駆込み需要の結果、一昨年あたりから解約返戻金のピークを迎える逓増定期保険が数多く発生。ところがメンテのない契約は、コストだけがかかって、何のために契約か分からなくなっています。

 

8〜9面 法人販売

 

法人FPの教科書 法人生保税務⑴-③

税理士  井上得四郎

 

法人契約の保険、「死亡保険金の受取人は誰であるのか」「満期保険金の受取人は誰であるのか」という点を押さえれば、その税務的な処理が理解できるということである。被保険者ではない。

 

10面 新商品

 

T&Dフィナンシャル生命

「家計にやさしい終身医療」

 

過去1年間タバコをを吸わない場合、主契約の保険料を割り引き、日帰り入院・外来手術の保障など、シンプルな商品。短期入院・外来手術保障充実特則など、特約・特則のオプションによる保障も充実している。

 

11面 新商品

 

アフラック

「保険料率等の改定」

 

アフラックは、3月2日以降、各種商品の保険料率を段階的に改定する。また、各種の積立利率も見直すとともに、定期保険、定期特約の一部を販売停止にする。3月以降の改定は4月2日、7月2日となっている。

 

[トピック]

ガン患者向けの支援プログラム

メットライフは、ガン患者向けの総合ガイド「FIRST GUIDE」を冊子およびウェブサイトで提供している。

同社とヘルスケア企業のMSDは、ガン患者向けの支援プログラムを協同で開発、提供することで合意し、その第一弾として作成。

「FIRST GUIDE」は、ガン患者の不安や課題を解消するために、ガン治療経験者の実体験、医師、ソーシャルワーカー、FPによる情報をまとめたもの。

MSDは世界140カ国以上で事業を展開、ヘルスケア・ソリューションを提供している。

 

LINEでぴったりの保険を見つける

ライフネット生命は1月下旬、LINEおよびFacebook Messengerでの、チャットボットによる自動応答を活用した保険診断および保険料見積りサービスを開始した。

同社は昨年7月、LINE上で保険プランナーが保険選びをサポートする保険相談サービスを開始。

今回、より一層のサービス向上を目指し、LINE上で1分程度でぴったりの保険が見つかる「保険診断」機能、生年月日・性別・保険商品の入力だけで簡単に分かる「保険見積り」機能をそれぞれ用意した。

また、LINEを利用していない人向けに、新たにFacebook Messengerでも同様のサービスを提供。

なお、同サービスでは必要に応じて有人対応に切り替え、保険プランナーとチャットで相談することもできる。

 

 

 

制作 株式会社保険社 保険情報・ネットソリューション・チーム

住所 〒166-0003 東京都杉並区高円寺南4-2-8 サンユースビル2 4階

電話 03-3317-0391

 

 

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