2017年1月6日 2798号

 

日本生命 営業戦略・上半期の業績

 

営業職員 厳しい環境で業績を下支え

保険料収入減 窓販円建て販売停止が響く

 

しゃしん こじまとりしまりやく単体・連結ともに減収・減益──日本生命は昨年11月26日、2016年度上半期説明会を行った。児島一裕取締役常務執行役員(=写真)、加井野重人営業企画部長、佐藤和夫財務企画部長などが説明をした。

保険料等収入は前年同期比18・4%減の2兆3627億円と大幅な減少。円建ての銀行窓販商品の販売停止、前年同期に獲得した大型団体年金の反動などが主因。連結では、三井生命(2506億円)、海外保険事業・アセットマネジメント事業(159億円)を加えても9・7%減の2兆6293億円となった。

 

基礎利益は17・6%減の3241億円と落ち込んだ。円高や低金利の影響で内外債券の利息収入等の減少が主因。これに三井生命(163億円)、海外生保子会社・関連会社の持ち分(35億円)を加えた連結基礎利益は13・3%減の3427億円に留まった。

 

また、営業職員チャネルの保険料等収入は、前年同期と比べ約2900億円増加の1兆5542億円(三井生命含める)となり、全体の6割を占める。「営業職員はプラスを確保し、厳しい環境の中で一定の業績の下支えをした」と児島取締役。

 

販売好調な商品面として、次の4つを挙げる。

①ニッセイ長寿生存保険「グランエイジ」

②「ニッセイ逓増定期保険」

③一時払終身外貨建て「ドリームロード」(三井生命)

④「大樹セレクト」(同)

 

業界初のセミ・トンチン年金として話題を集めた「グランエイジ」は4月に発売。9月までの販売件数は2万3100件。「年初計画の6割を消化しており、引き続き好調に推移」と加井野部長。

 

逓増定期は6月から11月18日までの入金ベースで5540件。前年同期に比べる3200件増加した。また、「ドリームロード」は6500件、「大樹セレクト」は9万件となった。

 

新契約業績は、日生単体では件数(206万件、9・8%減)と保障額(4兆6418億円、6・2%減)が減少し、年換算保険料(1434億円、4・9%増)は増加した。

 

件数などの減少要因として、昨年4月に発売した「みらいのカタチ五つ星(継続サポート3大疾病保障保険付プラン)」の落ち込みなどが挙げられる。同商品は昨年度に約40万件というヒットとなり、業績をけん引した。

 

新契約を営業職員チャネルと銀行窓販を比べると銀行窓販の落ち込みが激しい。件数は8・9%減の3万件だが、保障額は43・6%減の1713億円、年換算保険料は55・6%減の123億円となった。

 

自己資本は前年度末に比べて4253億円増の5兆2408億円。内訳は、基金諸準備金が危険準備金、価格変動準備金の積み増しで4兆4899億円、これに7508億円の劣後特約付債務が加わる。

 

新規の8割は既契約回りから

 

Q 各社は若年層開拓に力を入れている。どのように取り組んでいるか。

加井野 戦略的セグメントを基本的に、学資保険や「五つ星」を中心に下期も開拓を進めていく。「五つ星」は昨年度の新商品で、死亡保障を少し圧縮して、生存給付をより厚くし、割安な保険料で提供することで、若年層、女性層に好評だ。引き続き営業職員チャネルを中心に若年層の開拓を進める。

また、ライフサロンなどの乗合代理店ショップで、これまで営業職員では接点の持てなかったお客さま、とりわけ若年層への販売に力を入れたい。

 

Q 営業職員チャネルで、今年度力を入れているポイントは。また、中長期的な視点で取り組んでいる課題は。

加井野 5万名に届いていないが、引き続き5万名体制を堅持する方向で採用、定着率の向上に取り組んでいる。昨年度から入社前の導入研修を2カ月から3カ月に延長し、定着率は改善している。ターンオーバー体質の改善と合わせ、しっかりしたコンサルティングサービスをお客さまに届ける体制を今後とも目指したい。

 

Q 活動面での取り組みは。

加井野 「ご契約内容確認活動」をアフターサービスの一環として年1回実施しており、ここから、世帯開拓や紹介などで新規のお客さまを広げていきたい。現在、新契約件数の約8割は既契約の見直し、世帯開拓、紹介から生まれている。

これに合わせて、新商品を中心に新しいお客さまへの接点を作り出す。「シュシュ」なら、これまでタッチできなかった女性のニーズを引き出し、新しいお客さまを取り込んでいく。

「グランエイジ」も同じ狙いで投入している。この両面でしかりと進めていきたい。

 

Q いわゆるフィンテックへの対応は。

児島 この10月から、シリコンバレーに人を派遣した。野村総研から一人派遣してもらい二人で生保に関するフィンテック技術、最新のIT技術の調査、シードの発掘をしている。

 

Q 劣後債を4月に1000億円、11月に900億円発行した。資金調達コストも低下し、1%程度になっているが、それなりのコストのかかる資金を取り込む理由は何か。

児島 自己資本は目標を6・5兆円に置き、この水準に向けて充実を図っている。国際的な資本規制が平成31年度に導入されることが見通せる環境の中で、経済価値ベースでのソルベンシーマージンについても、しっかりとした水準を確保するという観点で、取り組んでいる。

経済価値ベースは、金利低下局面で数値が下方にシフトする傾向があり、低金利環境下ではなおさら数値を維持するためにも資本増強が必要となる。

 

Q 米国の新大統領が決まった11月上旬以降、日本の金融市場は株高、円安、金利上昇と大きく変わり出した。下半期の運用方針にどんな影響を与えているか。

佐藤 大枠の運用方針は変える必要がない。このトレンドがこのまま一本調子で続くと思っていない。ただ、相場の転換タイミングが非常に難しくなっている。

外債の投資戦略では、いったん高い金利状態になっているのでヘッジ外債で入り、円高タイミングがあればオープン外債に変える形にしたい。円債は利回りが1%に満たないものに投資することは難しい。超長期債の金利は上がっているが0・5%〜0・6%のゾーンなので、下期も見送るという方針は変わらない。

 

大同生命

 

中小企業の「健康経営」支援

健診受診率100%達成めざす

 

「健康経営」の普及を通じて中小企業をもっと元気に──大同生命は「DAIDO KENCOアクション」を開始した。2017年4月から「健康体割引特約」の取り扱い年齢の上限を撤廃するなど適用範囲も拡大する。

 

中小零細企業は健康経営を実践するノウハウ・予算・人材が不足し、定期検診の受診率が低く、疾病予防、健康管理意識に課題がある。このような状況を踏まえ、同社ではさまざまなノウハウなどを持つ企業・団体と協働し、中小企業による健康経営の取り組みを総合的に支援する。

 

「KENCO」の「CO」は、COMPANY(会社)、CONTRIBUTION(貢献)、COLLABORATION(協働)、COEXISTENCE(共存)の頭文字と掛けており「中小企業とそこに働く人々が活き活きと活躍できる社会と健康寿命の延伸の実現、高齢化社会が抱える課題解決への貢献を目指す想いを込めている」

 

企業・団体との協働内容は次のとおり。

①健康経営宣言の普及・推進

②「KENCO SUPPORT PROGRAM(ケンコウ・サポート・プログラム)」の提供

③インセンティブの提供

 

健康経営宣言の普及・推進では、特定非営利活動法人「健康経営研究会」と協働。同研究会は2008年の創立で、2016年8月に独自の認定制度として「健康経営宣言」を創設した。

 

認定企業には認定証の発行や宣言内容のHPへの掲載、名刺などで利用できるコミュニケーションマークの発行などを行う。

ケンコウ・サポート・プログラムは、バリューHRと共同開発した健康経営の実践ツール。バリューHRとは2016年6月に業務・資本提携を行った。

 

プログラムの開始にはまず、従業員向けのメッセージ(健康経営宣言)を策定し、同プログラムのWebのトップ画面に表示する。「繰り返し、健康経営宣言を確認することで企業全体の意識が高まる」という。

 

そして、健康リスクの把握が健康経営の実践に向けた第一歩として、「人間ドック・法定健診紹介サービス」「ストレスチェックサービス」を提供。これによって、中小企業の健康診断受診率100%達成の支援とともに、メンタルヘルス不調の予防を支援する。また、検診結果にもとづき、生活習慣病につながる健康リスクの「見える化」を行い、「健康みらい予報」も提供。

 

健康みらい予報は野村総研の生活習慣病発症予測システムで、糖尿病、心血管病、虚血性心疾患、脳卒中の今後10年間の発症確率、同性・同年齢と比べた発症倍率を確認できる。さらに、発症確率、発症倍率を低減させるための施策効果のシミュレーションもできる。

 

日々の運動、食事の管理についても、多彩なサービスを用意する。

運動管理では、セイコーエプソン、ソフトバンク、タニタの健康関連デバイス(活動量計、体組成計)や、iPhoneに搭載されている「ヘルスケア」アプリで測定したデータは、簡単な操作でケンコウ・サポート・プログラムに連携し、マイページ上で管理・閲覧できる。

 

食事管理でも、食事改善アドバイスアプリ「カラダかわるNavi」を提供。リンクアンドコミュニケーションが開発したもの。

 

りそな3行と「ポイント」交換も

 

インセンティブについては、「ポイントプログラム」を提供。健康増進に取り組むほど「KENCOポイント」が溜まり、健康関連商品・サービスの購入代金に充当できる。また、りそなグループ3行(りそな銀行、埼玉りそな銀行、近畿大阪銀行)とも協働する。

 

①りそなスマート口座を開設の特典として「りそなクラブポイント」を進呈。

②ケンコウ・サポート・プログラムの健康関連商品・サービスの購入代金をりそなスマート口座で決済するごとに「りそなクラブポイント」を取得。

 

今後、「りそなクラブポイント」をKENCOポイントに交換できるようにするなど、相互連携を強化していく。

ケンコウ・サポート・プログラムは17年4月から提供する予定。

なお、大同生命は健康体割引特約を1998年10月に導入し、13年6月には査定を緩和する引受基準を導入するなど、生保商品や引受制度を通じて健康増進を支援してきた。

 

「DAIDO KENCOアクション」の開始に合わせ、17年4月から「健康体割引特約」の取り扱い年齢の上限を撤廃するなど適用範囲を拡大する。

 

2面 保険流通

 

ポスト自動車保険にらむ多種目化

(有)ライフステージ 小平髙義代表

 

自動運転車を中心としたテクノロジーの進化に伴う自動車保険の先行きを考えると、代理店は新たなマーケット開拓が必要です」。自動車保険のウエートは40%程度、一層の多種目化を推進する。

 

3面 マーケティング

 

新・消費者心理を探る

「企業年金がない従業員はどうするか」

ニッセイ基礎研究所 井上智紀

 

個人型確定拠出年金の加入対象者で、企業年金がない従業員は、老後に向け資産形成が進んでおらず、現実に照らした意識変革もできていない可能性が高いようです。では、どのように対応したらよいのでしようか。

 

4面 中小企業開拓

 

中小企業の助成金・補助金の活用

「外国人観光客受け入れのための補助金」

行政書士 石井亜由美

 

訪日外国人旅行者数4000万人、6000万人の実現に向けて受け入れ環境を整えるため、近年、観光産業に関しての補助金も増えてきました。今回は外国人観光客受け入れのための補助金について。

 

5面 少額短期保険

 

SBIグループ少短会社

グループ3社による相互クロス販売開始

 

SBIグループの少額短期保険会社3社は、2016年12月14日から相互の保険商品のクロス販売を開始した。グループ3社の特長を活かしたシナジー効果を発揮するのが目的だ。

 

6面 法人営業

 

舞台裏のレッスン帳

社長が倒れたときの備え①

 

社長が病に倒れても、ご本業のアドバイスはできません。まずは後継者の役員に頑張ってもらうとして、会社に起こりうるリスクを回避するために保険金がどのように使えるのかを考えてみましょう。

 

8〜9面 FP販売

 

お客様に喜ばれるトークスクリプトを組み立てる

⑪住宅ローン審査に必要な情報

寿FPコンサルティング 高橋成壽

 

まずは安易にお金を借りないこと、借りたお金はきちんと計画に沿って返すこと。ゆとりがあれば一括返済も。奨学金や携帯電話の機種代などの分割払いも借金ですから、延滞はNGですよ。

 

10面 業務提携

 

太陽生命・労働金庫

「ひまわり認知症治療保険」

 

太陽生命の「認知症治療保険」の取り扱いを「ろうきん」用にアレンジした商品で、2017年から全国13のろうきんで扱う。労働金庫連合会で業態統一商品として採用された。1月は新潟県労働金庫で販売開始する。

 

12面 拠点長

 

拠点経営のための活動指針

3月 全指標を突破せよ

 

3月は一にも二にも年度責任額の達成だ。新契約は少なくとも105%以上を目指す。その他の課題についても、それぞれの指標の突破を重点とする。年責105%以上を完遂するには、拠点全員の衆知を集めての計画立案が大切。

 

 

制作 株式会社保険社 保険情報・ネットソリューション・チーム

住所 〒166-0003 東京都杉並区高円寺南4-2-8 サンユースビル2 4階

電話 03-3317-0391

 

 

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